コラム

【2026年版】YouTube動画制作の外注費用相場|失敗しない業者選びの5つのポイント

「YouTubeで動画を出してみたいけど、何から始めればいいの?」

「会社でYouTubeチャンネルを作ることになったけど、正直よくわからない…」

こんな悩みを抱えていませんか?

実は、YouTube動画の作り方には「正しい手順」があります。この手順を知らないまま始めてしまうと、せっかく時間をかけて作った動画が誰にも見てもらえない…なんてことになりかねません。

YouTube動画制作の外注費用相場

日本国内の18歳以上のYouTubeユーザー数は7,370万人(2024年5月時点・Google発表)。これは18歳以上の日本人口の約68%がYouTubeを見ているということです。つまり、YouTube動画を上手に活用できれば、とてつもなく多くの人に自分や自社のことを知ってもらえるチャンスがあるのです。

この記事では、「YouTube動画の作り方」を完全網羅して解説します。企画の立て方から、撮影、編集、そして公開まで。さらに、外注する場合の費用相場や、実際に成功している企業の事例まで、これ1本読めばYouTube動画制作のすべてがわかる「決定版ガイド」です。

専門用語はできるだけ使わず、中学生でも理解できるようにやさしく説明していきます。ぜひ最後まで読んで、あなたのYouTubeデビューに役立ててください!

💡この記事でわかること

  • YouTube動画の作り方の基本5ステップ(企画→撮影準備→撮影→編集→公開)を初心者向けにやさしく解説
  • 自作と外注の判断基準|それぞれのメリット・デメリットを比較して最適な選択ができる
  • 外注費用の相場【2025年版】|編集のみ〜フル外注まで、予算に合わせた依頼方法がわかる
  • 企業の成功事例5選|実際にYouTubeで成果を出している企業から学ぶ成功のポイント
  • よくある失敗パターンと対策|初心者が陥りがちなミスを事前に把握して回避できる
目次

【YouTube動画の作り方】まず知っておきたい基礎知識

YouTube動画の作り方を学ぶ前に、まず押さえておきたいのが「なぜ今、企業がYouTubeに取り組むべきなのか」という点です。この章では、YouTubeの基本と、企業が活用すべき理由を、具体的なデータとともに解説します。

YouTubeとは?|企業が注目すべき世界最大の動画プラットフォーム

YouTubeは、企業のマーケティング・ブランディング・採用において、もはや「やるかやらないか」ではなく「どう活用するか」を考えるべきプラットフォームです。

なぜなら、YouTubeは単なる「動画を見るサイト」ではなく、世界最大の動画検索エンジンであり、24時間365日稼働する営業マンとしての役割を果たすからです。2005年にアメリカで誕生し、現在はGoogleが運営。世界中で毎月20億人以上がアクセスする、圧倒的なリーチ力を持つプラットフォームとなっています。

日本国内の18歳以上のYouTubeユーザー数は7,370万人(2024年5月時点・Google発表)。これは18歳以上の日本人口の約68%に相当します。つまり、あなたの会社の見込み客の約7割がYouTubeを日常的に利用しているということです。

さらに注目すべきは、YouTubeが「Googleに次ぐ世界第2位の検索エンジン」である点です。「〇〇 やり方」「〇〇 比較」といった検索をYouTubeで行うユーザーが急増しており、検索経由での新規顧客獲得チャネルとして機能しています。

これだけのユーザー数と検索機能を持つYouTubeを活用しないのは、見込み客の7割にアプローチする機会を自ら放棄しているのと同じです。企業にとって、YouTubeはもはや「あったらいいもの」ではなく、マーケティングの必須インフラと言えます。

なぜ今、企業がYouTube動画に取り組むべきなのか?

企業が今すぐYouTube動画に取り組むべき理由は、「動画」という情報伝達手段の圧倒的な優位性と、「YouTube」というプラットフォームの成長性の2つが重なっているからです。

動画は文字の1,800,000倍の情報量を持つ

アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames McQuivey博士の研究によると、1分間の動画は、文字に換算すると約180万語(Webページにすると約3,600ページ分)の情報量があるとされています。

これは何を意味するのでしょうか?たとえば、あなたの会社のサービスを説明する10ページのパンフレットを作ったとします。それを読んでもらえる確率と、同じ内容を3分の動画にまとめてYouTubeで見てもらえる確率。どちらが高いかは明らかです。動画なら、視覚・聴覚・感情に同時にアプローチできるため、伝わりやすさが段違いなのです。

ユーザーの行動様式が「動画検索」に変化している

かつては「何か知りたいことがあればGoogleで検索」が当たり前でした。しかし今、特に若い世代を中心に、「YouTubeで検索する」という行動が急増しています。

  • 「〇〇の使い方」→ テキストより動画で見たほうがわかりやすい
  • 「〇〇 レビュー」→ 実際に使っている様子を動画で見たい
  • 「〇〇 比較」→ 複数の選択肢を動画で一気に比較したい

この行動変化に対応できている企業と、そうでない企業では、今後ますます集客力に差がついていきます。

競合がまだ本格参入していない業界が多い

YouTubeを戦略的に活用している企業は、実はまだ多くありません。特にBtoB企業や、ニッチな業界ではなおさらです。つまり、今始めれば「先行者利益」を得られる可能性が高いのです。競合が参入してからでは、同じ成果を出すために何倍もの労力が必要になります。

たとえば、葬儀業界という一見YouTubeと無縁に思える業界でも、YouTube活用で成功している企業があります。有限会社佐藤葬祭は、2015年からYouTubeで情報発信を続け、現在は2,200本以上の動画を公開。「葬儀」という検索ワードで上位表示を独占し、全国からの認知と問い合わせを獲得しています。ニッチな業界だからこそ、競合が少なく、先に始めた企業が圧倒的な優位性を築けるのです。

動画の情報伝達力、ユーザー行動の変化、そして競合がまだ少ない今というタイミング。この3つの理由から、企業がYouTubeに取り組む「最適なタイミング」は、まさに今なのです。

企業がYouTubeを活用する5つのビジネスメリット

企業がYouTubeを活用することで得られるメリットは、単なる「認知度アップ」にとどまりません。売上向上、採用強化、顧客との関係構築、さらには広告収入まで、多角的なビジネス成果を生み出すことができます。

YouTubeは「見込み客との接点を増やす」だけでなく、「信頼関係を構築する」「購買意欲を高める」「ファン化させる」という、顧客獲得から関係深化までの一連のプロセスをカバーできるメディアだからです。

企業がYouTubeを活用することで得られる具体的なメリットを、それぞれのビジネスインパクトとともに整理しました。

メリット具体的な内容ビジネスへのインパクト
①認知度アップ7,370万人のユーザーにリーチ可能。検索経由で新規顧客と出会える広告費をかけずに見込み客を獲得できる
②信頼感の向上社員の顔が見える、社長が語る、現場の様子がわかる「この会社なら安心」という信頼が購買・契約の後押しに
③集客・売上アップ動画を見た人が「もっと知りたい」とサイトや店舗に訪問問い合わせ数・来店数・売上の増加に直結
④採用強化会社の雰囲気、働く人の声、仕事内容をリアルに伝えられる応募者の質と量が向上、ミスマッチも減少
⑤資産としての蓄積一度公開した動画は24時間365日働き続ける長期的に見込み客を獲得し続ける「資産」になる
表1:企業がYouTubeを活用する5つのメリットとビジネスインパクト

特に注目すべきは⑤の「資産としての蓄積」です。ブログ記事やSNS投稿と異なり、YouTube動画は時間が経っても「検索」や「関連動画」から継続的に視聴されます。つまり、今日投稿した動画が、1年後、3年後も見込み客を連れてきてくれる「働き続ける営業マン」になるのです。

YouTubeは、認知から購買、採用まで、企業活動のあらゆる側面にプラスの影響をもたらします。しかも、一度作った動画は資産として蓄積され、長期的なリターンを生み出し続けます。「やらない理由」を探すより、「どう始めるか」を考えるべき段階に来ているのです。

💡筆者のひとこと

「うちの業界はYouTube向きじゃない」——そう思っていませんか?実は、私もかつてはそう思っていました。でも、葬儀業界でも、不動産投資でも、BtoBのコンサルティングでも、YouTube活用で成果を出している企業は確実に存在します。大切なのは「業界」ではなく「ターゲットがYouTubeを見ているかどうか」。そして、日本の18歳以上の約7割がYouTubeユーザーである以上、あなたのターゲットもほぼ確実にYouTubeを見ています。「向いていない業界」は、実はほとんど存在しないのです。

YouTube動画の作り方|初心者向け5ステップ【企画〜公開】

YouTube動画の作り方は、「企画→撮影準備→撮影→編集→公開」の5ステップで構成されます。この順番を守り、特に「企画」に時間をかけることが、成果を出すための最短ルートです。

なぜこの順番が重要なのでしょうか?それは、多くの企業が「いきなり撮影」から始めてしまい、失敗するからです。どんなに高画質で撮影しても、どんなにテロップを凝っても、「誰に、何を、なぜ伝えるか」という企画がブレていれば、視聴者には響きません。逆に言えば、企画さえしっかりしていれば、スマホ撮影・簡易編集でも十分に成果を出すことができます。

企業YouTube運用で成果を出しているチャンネルに共通するのは、「各動画の目的が明確」という点です。たとえば、北欧、暮らしの道具店は「商品を売り込む」のではなく「暮らしに溶け込む様子を見せる」という明確な企画方針で100万人登録を達成。佐藤葬祭は「葬儀の疑問に答える」という一貫したテーマで2,200本以上を投稿し、業界トップの認知を獲得しています。

これから解説する5ステップを順番に進めれば、初心者でも「見てもらえる」「成果につながる」動画を作ることができます。特に企業の場合は、本業への集客や採用強化につながる動画を作ることが目的。「バズる動画」ではなく「ビジネスに貢献する動画」を作るための実践的なノウハウをお伝えします。

【動画で学ぶ】YouTube動画制作の全体像

まずは動画制作の全体像を把握しましょう。以下の動画では、YouTube動画の企画から撮影、編集、投稿までの一連の流れがわかりやすく解説されています。

YouTube動画制作の全体像|企画から投稿までの流れ

ステップ1:企画を立てる|動画の成否を決める最重要プロセス

YouTube動画制作において、企画は全体の8割を占める最重要プロセスです。企画が曖昧なまま撮影に進んでも、誰にも見てもらえない動画になってしまいます。

なぜ企画がそれほど重要なのでしょうか?理由は3つあります。

理由①:YouTubeは「検索」と「関連動画」で見つけられる
視聴者は「知りたいこと」を検索してYouTubeにたどり着きます。つまり、視聴者の「知りたいこと」を正確に把握し、それに応える動画を企画しなければ、そもそも発見してもらえません。

理由②:企画が決まれば、後の工程がスムーズになる
「誰に、何を、なぜ伝えるか」が明確であれば、台本も書きやすく、撮影も迷わず、編集の方向性もブレません。逆に企画が曖昧だと、撮影後に「何を言いたいのかわからない」という事態に陥ります。

理由③:企業動画は「目的」がなければ意味がない
個人YouTuberと違い、企業がYouTubeに取り組むのは「ビジネス成果」を得るためです。認知拡大なのか、問い合わせ増加なのか、採用強化なのか。目的が明確でなければ、「動画を作ること」自体が目的化してしまいます。

企画段階で決めるべき4つの要素を、具体的に解説します。

■ 要素①:目的を明確にする

「なぜこの動画を作るのか?」を言語化しましょう。目的によって、動画の内容・トーン・CTAがすべて変わります。

目的動画の方向性KPI(成果指標)
認知拡大ブランドイメージを伝える、興味を引くコンテンツ再生回数、チャンネル登録者数
リード獲得課題解決型のハウツーコンテンツ、事例紹介問い合わせ数、資料請求数
売上向上商品・サービスの魅力を伝える、比較・レビュー購入数、CVR(成約率)
採用強化社員インタビュー、社内の雰囲気紹介応募者数、採用サイトへの流入
顧客教育使い方解説、よくある質問への回答問い合わせ件数の削減、顧客満足度
表2:目的別・動画の方向性とKPI

■ 要素②:ターゲット(ペルソナ)を具体化する

「誰に見てもらいたいか」を、具体的な1人の人物像として設定します。これを「ペルソナ」と呼びます。

ペルソナ設定の例(BtoB企業の場合):

  • 役職:中小企業の経営者または営業責任者
  • 年齢:40代
  • 課題:新規顧客の獲得に苦労している。テレアポは効率が悪い
  • 情報収集方法:通勤中にYouTubeでビジネス系動画を視聴
  • 意思決定の基準:費用対効果、実績、信頼性

ここまで具体的に設定することで、「この人に響く言葉遣い」「この人が検索しそうなキーワード」が自然と見えてきます。

■ 要素③:競合チャンネルをリサーチする

YouTubeで同じテーマを扱っているチャンネルを5〜10個見つけ、徹底的に分析しましょう。

チェック項目見るべきポイント活用方法
再生回数が多い動画どんなテーマ・タイトルが伸びているか?ニーズのある企画のヒントにする
サムネイルのデザイン色使い、文字の大きさ、表情クリックされるデザインを参考にする
タイトルの付け方どんなキーワード、数字、フレーズを使っているか検索されやすいタイトル設計に活かす
動画の長さよく見られている動画は何分程度か適切な動画尺の目安にする
コメント欄視聴者はどんな反応をしているかニーズや不満を把握し、自社動画に活かす
投稿頻度週に何本投稿しているか自社の投稿ペースの参考にする
表3:競合チャンネルのリサーチポイントと活用方法

■ 要素④:動画の構成(台本)を作成する

「何を、どの順番で話すか」を事前に決めておきます。一言一句書く必要はありませんが、流れを決めておくことで撮影がスムーズに進みます。

企業YouTube動画の基本構成:

  1. フック(冒頭10秒):視聴者の悩みに共感し、「この動画を見れば解決する」と伝える
  2. 自己紹介(15秒):会社名・専門性を簡潔に伝え、信頼性を確立する
  3. 本編(動画のメイン):結論→理由→具体例の順で論理的に説明
  4. まとめ(30秒):重要ポイントを3点程度で振り返る
  5. CTA(行動喚起):「チャンネル登録」「概要欄のリンクから問い合わせ」など、次のアクションを促す

企画の段階で「目的」「ターゲット」「競合」「構成」を明確にしておけば、撮影・編集・公開の工程で迷うことがなくなります。「とりあえず撮ってみる」ではなく、「設計図を描いてから作る」。このアプローチが、企業YouTube成功の第一歩です。

💡筆者のひとこと

「企画が8割」という言葉は本当です。私の経験上、企画に2時間かけた動画と、30分で企画した動画では、再生回数に3〜5倍の差が出ることも珍しくありません。「早く撮影したい」という気持ちを抑えて、「誰のどんな悩みを解決するのか」を徹底的に考え抜きましょう。この時間は絶対に無駄になりません。

ステップ2:撮影準備|「音声」が視聴維持率を左右する

撮影準備で最も重視すべきは「音声品質」です。映像は多少暗くても視聴者は見続けますが、音声が聞き取りにくいと即座に離脱されます。高価なカメラより、まず3,000円のマイクを買うべき——これが企業YouTube成功の鉄則です。

なぜ音声がそれほど重要なのでしょうか?

理由①:視聴者の離脱ポイントは「音」にある
YouTubeアナリティクスのデータを分析すると、音声品質の悪い動画は開始30秒以内の離脱率が著しく高いことがわかります。視聴者は「見づらい」には我慢できますが、「聞きづらい」には我慢できないのです。

理由②:スマホのカメラ性能は十分すぎるほど高い
近年のスマートフォンは、一眼レフカメラ並みの映像が撮れます。しかし、スマホの内蔵マイクは周囲のノイズを拾いやすく、話者との距離があると音声がこもってしまいます。カメラはスマホで十分ですが、マイクだけは別途用意する必要があります。

理由③:企業動画は「聞いてもらう」ことが目的
企業がYouTubeに取り組む目的は、自社のサービスや価値を「伝える」ことです。どんなに素晴らしい内容を話していても、聞き取れなければ意味がありません。音声品質は、企業の信頼性にも直結します。

撮影に必要な機材を、優先度順に整理しました。初期投資を抑えつつ、品質を確保するための選び方を解説します。

機材初心者向け(予算の目安)本格派向け(予算の目安)優先度購入の目安
マイクピンマイク(3,000円〜)ショットガンマイク(2万円〜)★★★★★最初に買うべき
照明リングライト(5,000円〜)ソフトボックス(1万円〜)★★★★自然光が不十分な場合
編集ソフトCapCut・iMovie(無料)Adobe Premiere Pro(月額2,728円〜)★★★★無料ソフトで開始、必要に応じて移行
カメラスマートフォン(0円〜)一眼レフ・ミラーレス(10万円〜)★★★スマホで十分。買い替えは後でOK
三脚スマホ用三脚(2,000円〜)ビデオ三脚(1万円〜)★★★手ブレが気になったら
背景白い壁・整理された部屋(0円)グリーンバック(3,000円〜)★★まずは整理整頓で対応
表4:YouTube動画制作に必要な機材と優先度(企業向け)

■ 撮影場所の選定基準

オフィスや会議室で撮影する場合、以下の3点をチェックしてください。

チェック項目理想的な状態問題がある場合の対処法
音環境エアコン音・外部騒音が入らない静かな空間早朝や休日に撮影、防音対策、別室を検討
光環境自然光が入り、顔が明るく映る窓に向かって座る、照明を追加
背景スッキリと整理され、企業イメージに合っている不要物を片付け、観葉植物や社名ロゴを配置
表5:撮影場所のチェックポイント

撮影準備の優先順位は「①マイク→②照明→③その他」です。スマホ+3,000円のマイク+5,000円のライトで、十分プロ級の品質が実現できます。高価な機材に投資する前に、まずこの最小構成で始めてみてください。足りないものは、実際に撮影してみてから買い足せばOKです。

【動画で学ぶ】初心者向け撮影機材の選び方

機材選びで迷っている方は、以下の動画が参考になります。初心者でも失敗しない機材の選び方と、予算別のおすすめ機材が紹介されています。

【初心者向け】YouTube撮影機材の選び方|失敗しない機材選びのポイント

💡筆者のひとこと

「まず機材を揃えてから始めよう」と思っていませんか?実は、それが挫折の原因になることも多いです。私が支援してきた企業の中で、最初から高額機材を購入したケースほど、「元を取らなきゃ」というプレッシャーで続かなくなる傾向がありました。まずはスマホと最低限のマイクで1本作ってみる。そこから「ここを改善したい」と思った部分に投資する。このアプローチが、結果的に一番コスパが良いです。

ステップ3:撮影|「完璧」より「完了」を優先する

撮影で最も大切なのは、「完璧を目指さず、まず1本撮り切ること」です。言い間違いや噛んでしまっても、編集でいくらでも直せます。最初の1本目で100点を目指すより、70点で10本作るほうが、圧倒的に成長できます。

なぜ「完璧」を目指してはいけないのでしょうか?

理由①:完璧を目指すと、1本も完成しない
「もう一回撮り直そう」「もっと上手く話せるはず」——この思考に陥ると、いつまでも撮影が終わりません。企業がYouTube運用に失敗する最大の原因は「品質追求による挫折」です。まずは「投稿すること」を最優先にしましょう。

理由②:視聴者は「完璧さ」を求めていない
視聴者が求めているのは、「自分の悩みを解決してくれる情報」であり、「プロ並みの映像美」ではありません。多少の言い間違いがあっても、内容が有益であれば最後まで見てもらえます。むしろ、作り込みすぎた動画は「広告っぽい」と敬遠されることも。

理由③:撮影スキルは「量」でしか上達しない
カメラの前で自然に話せるようになるには、場数を踏むしかありません。10本撮れば、最初の1本目とは比較にならないほど上達しているはずです。最初から完璧を求めていたら、この「10本」に到達する前に挫折してしまいます。

撮影をスムーズに進めるための具体的なノウハウを解説します。

■ 撮影前チェックリスト(企業向け)

カテゴリチェック項目確認ポイント
機材□ カメラのバッテリー残量フル充電しておく(予備があれば理想)
□ ストレージの空き容量最低10GB以上の空きを確保
□ マイクの接続・動作確認テスト録音して音声を確認
環境□ 照明の位置と明るさ顔に影ができていないか
□ 背景の整理余計なものが映り込んでいないか
□ 周囲の静音性エアコン・換気扇の音、外部騒音がないか
準備物□ 台本・構成シート手元またはカメラ横に設置
□ 飲み物(水)長時間の撮影に備えて
□ 身だしなみ服装・髪型・メイクの最終確認
表6:撮影前チェックリスト

■ 撮影時の5つのコツ

コツ①:レンズを見て話す(カメラ目線)
スマホやカメラの「レンズ」を見て話しましょう。画面(自分の映像)を見てしまうと、視聴者には「目線が合っていない」と感じられます。レンズの横に小さなシールを貼って目印にするのも効果的です。

コツ②:冒頭10秒で「見る価値」を伝える
YouTubeの視聴者は、動画を開いて数秒で「見続けるかどうか」を判断します。冒頭で「この動画を見ると〇〇がわかります」「〇〇で悩んでいる方、必見です」と、視聴者にとってのメリットを明確に伝えましょう。

コツ③:普段より1.2倍のテンションで話す
動画では、普段の話し方だと「暗い」「元気がない」という印象になりがちです。いつもより少しだけ声を大きく、少しだけ表情を豊かに、少しだけゆっくり話すと、ちょうど良いテンションで伝わります。

コツ④:失敗しても止めずに続ける
言い間違えたら、少し間を置いてからもう一度言い直せばOK。撮影を止める必要はありません。編集時にミス部分をカットするだけです。止めたり再開したりを繰り返すと、かえって時間がかかります。

コツ⑤:「友人に説明するように」話す
「カメラに向かって話す」と構えると緊張します。カメラの向こうに「この話を聞きたがっている友人がいる」とイメージして、その人に説明するつもりで話しましょう。自然体で話せるようになります。

撮影は「慣れ」がすべてです。最初はうまくいかなくて当然。10本撮れば格段に上達し、30本撮れば「自分のスタイル」が見えてきます。完璧を目指して1本も完成しないより、70点の動画を量産するほうが、チャンネル成長につながります。「完璧より完了」——この言葉を胸に、まずは1本撮り切りましょう。

💡筆者のひとこと

私が最初に撮影したとき、10秒の挨拶を撮るのに30分かかりました。何度撮っても納得できなかったからです。でも、50本目の動画を撮る頃には、10分の動画を一発撮りできるようになっていました。撮影スキルは、座学では身につきません。「とにかく撮る」「とにかく公開する」を繰り返すことでしか上達しないのです。最初の10本は「練習」だと思って、気楽に取り組んでください。

ステップ4:編集|視聴維持率を高める「テンポ」と「テロップ」

編集の目的は、視聴者が最後まで見たくなる動画に仕上げることです。特に重要なのは「テンポの良いカット」と「読みやすいテロップ」。この2つを押さえるだけで、視聴維持率は大幅に向上します。

なぜ編集が視聴維持率に直結するのでしょうか?

理由①:YouTubeのアルゴリズムは「視聴維持率」を重視する
YouTubeは、視聴者が長く見続ける動画を「良い動画」と判断し、おすすめや検索結果で上位表示します。つまり、編集で視聴維持率を高めることは、直接的に再生回数アップにつながるのです。

理由②:現代の視聴者は「待てない」
TikTokやInstagramリールに慣れた視聴者は、テンポの遅い動画には我慢できません。「えーと」「あのー」といった言い淀みや、無駄な間があると、すぐに離脱されます。編集でこれらをカットし、テンポを上げることが必須です。

理由③:テロップは「音なしでも見られる」ための必須要素
通勤電車や職場など、音を出せない環境でYouTubeを見る人は非常に多いです。テロップがあれば、音なしでも内容が伝わり、視聴を継続してもらえます。

編集作業の具体的な内容と、優先度を解説します。

■ 編集でやるべき作業一覧

作業内容効果優先度
カット編集言い淀み、無言、ミス部分を削除してテンポアップ視聴維持率向上★★★★★
テロップ挿入話している内容を文字で表示。キーワードを強調理解度向上、音なし視聴対応★★★★★
BGM挿入動画の雰囲気に合った音楽を入れる視聴体験の向上★★★★
効果音挿入場面転換や強調に音を入れる(入れすぎ注意)メリハリをつける★★★
色補正明るさ・コントラスト・色味を調整見やすさ向上★★★
エンドカード動画の最後に次の動画やチャンネル登録を促す画面チャンネル登録・回遊率向上★★★
表7:動画編集でやることリストと優先度

■ カット編集のコツ

  • 「えーと」「あのー」は容赦なくカット:言い淀みは視聴者のストレスになります
  • 言葉と言葉の間の「無音」を詰める:0.5秒以上の無音はテンポを落とします
  • 同じ内容を2回言っている部分はカット:冗長さは離脱の原因に
  • 迷ったら「カット」を選ぶ:短い方が視聴者に好まれます

■ テロップ作成のコツ

  • フォントは読みやすいゴシック体を使用:游ゴシック、ヒラギノ角ゴシックなど
  • 色は2〜3色に抑える:基本は白+黒の縁取り、強調部分だけ黄色や赤
  • 1画面に表示する文字は15〜20文字以内:多すぎると読み切れない
  • キーワードは色や太字で強調:視聴者の目を引く

■ BGMの選び方と著作権の注意点

BGMは「話し声のじゃまにならない程度」の音量に設定しましょう。音量の目安は、話し声の10〜20%程度です。

重要:BGMや効果音は、必ず「著作権フリー」または「商用利用可」のものを使用してください。好きなアーティストの曲を無断使用すると、動画が削除されたり、収益化が停止されたり、最悪の場合は訴訟リスクもあります。

おすすめの著作権フリー音源サイト:

サイト名料金特徴
YouTubeオーディオライブラリ無料YouTube公式。商用利用OK。YouTube Studioから直接アクセス可
DOVA-SYNDROME無料日本最大級のフリーBGMサイト。ジャンル豊富
甘茶の音楽工房無料落ち着いた雰囲気のBGMが豊富
Epidemic Sound有料(月額約1,500円〜)高品質・プロ仕様。企業利用に最適
Artlist有料(年額約2万円〜)ハイクオリティな楽曲が使い放題
表8:おすすめの著作権フリー音源サイト

【動画で学ぶ】動画編集の基本テクニック

編集作業は最初は難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば誰でもできます。以下の動画では、カット編集やテロップ挿入など、初心者が押さえておくべき編集テクニックが実践的に解説されています。

【初心者必見】動画編集の基本テクニック|カット・テロップ・BGMの入れ方

編集は「視聴者目線」で行うことが大切です。自分が作った動画を「初めて見る視聴者」になったつもりで見直し、「退屈だな」と感じる部分は思い切ってカット。「短く、テンポよく、わかりやすく」——この3つを意識するだけで、編集の質は格段に向上します。

💡筆者のひとこと

編集は最も時間がかかる工程です。10分の動画を編集するのに、最初は3〜5時間かかることも珍しくありません。しかし、慣れてくると同じ作業が1〜2時間で終わるようになります。また、企業の場合は「編集だけ外注する」という選択肢もあります。1本5,000円〜で外注できるので、社内リソースが限られている場合は検討してみてください。最初は自分で編集して「どこに時間がかかるか」を把握し、その後に外注するかどうかを判断するのがおすすめです。

ステップ5:公開|サムネイルとタイトルが再生回数を決める

動画の再生回数を決めるのは、動画の中身ではなく「サムネイル」と「タイトル」です。どんなに良い動画を作っても、クリックされなければ誰にも見てもらえません。公開前の最後の仕上げこそ、最も時間をかけるべき工程です。

なぜサムネイルとタイトルがそれほど重要なのでしょうか?

理由①:視聴者は「サムネイル→タイトル→クリック」の順で判断する
YouTubeの検索結果や関連動画に表示されるのは、サムネイルとタイトルだけ。視聴者はこの2つを見て、0.5秒〜1秒で「見るか、見ないか」を判断します。中身がどれだけ良くても、この関門を突破しなければ再生されません。

理由②:CTR(クリック率)がYouTubeアルゴリズムに影響する
YouTubeは、同じ表示回数の中でより多くクリックされる動画を「魅力的な動画」と判断し、おすすめや検索結果で優遇します。サムネイルとタイトルを改善してCTRを上げることは、直接的に再生回数アップにつながります。

理由③:同じ動画でもサムネイル変更で再生回数が2〜3倍変わることも
これは実体験ですが、伸び悩んでいた動画のサムネイルを変更しただけで、再生回数が2倍になったケースがあります。動画の中身は一切変えていません。それほど、サムネイルの影響力は大きいのです。

クリックされるサムネイルとタイトルの作り方を、具体的に解説します。

■ クリックされるサムネイルの5つのルール

ルール具体的な内容NG例理由
①文字は大きく、短く10文字以内。スマホでも読める大きさ文章のように長い、文字が小さいスマホ画面では小さな文字は読めない
②人の顔を入れる表情豊かな顔写真。驚き・喜びなど感情が伝わるもの風景だけ、商品だけ、顔が小さい人は無意識に「人の顔」に目が行く
③色は目立つものを使用黄色、赤、青など明るい色。背景とのコントラスト地味な色、背景と同化しているYouTubeの白い背景の中で埋もれない
④内容と一致させる動画の内容を正確に表現釣りサムネ(嘘の内容)釣りサムネは離脱率が上がり、評価が下がる
⑤競合と差別化する同じ検索結果に並ぶ他の動画と違うデザイン競合と似たデザイン目立たなければクリックされない
表9:クリックされるサムネイルの5つのルール

サムネイル作成ツール:「Canva(キャンバ)」を使えば、デザイン初心者でも簡単にプロ級のサムネイルが作れます。無料プランでも十分な機能があり、YouTubeサムネイル用のテンプレートも豊富です。

■ クリックされるタイトルの4つのルール

ルール具体的な内容
①検索キーワードを冒頭に入れるユーザーが検索しそうなキーワードをタイトルの前半に配置「YouTube動画 作り方」を狙うなら「YouTube動画の作り方|初心者向け…」
②数字を入れる具体的な数字は目を引き、内容がイメージしやすい「5つのコツ」「3ステップで」「10分で」「〇〇円で」
③30〜40文字以内に収める長すぎると表示が切れる。重要な情報は前半に検索結果では30〜40文字程度しか表示されない
④興味を引くフレーズを入れる視聴者の感情を動かすワード「知らないと損」「〇〇だけで」「完全解説」「プロが教える」
表10:クリックされるタイトルの4つのルール

■ 説明文(概要欄)の書き方

動画の下に表示される説明文も、検索順位とクリック率に影響します。

  • 冒頭にメインキーワードを含める:検索結果に表示される最初の2〜3行が勝負
  • 動画の内容を200〜500文字で説明:視聴者が「見たい」と思う情報を入れる
  • チャプター(タイムスタンプ)を入れる:視聴者が知りたい部分に直接飛べて便利。視聴維持率向上にも貢献
  • 関連リンクを入れる:自社サイト、問い合わせページ、関連動画へのリンク
  • ハッシュタグを3〜5個入れる:関連するキーワードをハッシュタグで追加

■ 公開タイミングの最適化

ターゲットがYouTubeを見やすい時間帯に公開することで、初動の再生回数を最大化できます。

ターゲットおすすめ公開時間理由
ビジネスパーソン平日12時〜13時、19時〜22時昼休みと退勤後にYouTubeを見る人が多い
経営者・決裁者平日7時〜8時、21時〜23時朝の情報収集、夜の自己投資時間
主婦・主夫平日9時〜11時、13時〜15時家事が一段落した時間帯
学生平日18時〜22時、土日終日放課後と休日
表11:ターゲット別・おすすめ公開時間

動画を作り終えた後、「早く公開したい」という気持ちが出てきます。しかし、サムネイルとタイトルは動画本編と同じくらい、いやそれ以上に時間をかけるべきです。目安として、サムネイル作成に30分〜1時間、タイトル・説明文に30分はかけましょう。この最後の仕上げが、再生回数を大きく左右します。

💡筆者のひとこと

サムネイルとタイトルの重要性は、いくら強調しても足りません。私の経験上、同じ動画でもサムネイルを変えただけで再生回数が2倍になったことがあります。動画を作り終えると「終わった!」と気が緩みがちですが、最後まで手を抜かないでください。むしろ、撮影・編集で疲れた後でも、サムネイルとタイトルだけは「別日に集中して作る」くらいの気持ちで取り組むことをおすすめします。

YouTube動画は自作と外注どっちがいい?メリット・デメリットを比較

YouTube動画を「自作(内製)」するか「外注」するかは、「時間」と「お金」のどちらを優先するかで決まります。そして多くの企業にとって最適解は、「撮影は内製、編集は外注」というハイブリッド型です。

なぜハイブリッド型が最適なのでしょうか?理由は3つあります。

理由①:完全内製は「時間コスト」が見落とされがち
「自分で作れば無料」と思いがちですが、社員の人件費を考慮すると話は変わります。たとえば、時給3,000円の社員が動画制作に10時間かけたら、実質3万円のコストがかかっています。その時間を本業に充てていたら、いくらの売上を生み出せたでしょうか?

理由②:完全外注は「スピードと柔軟性」を失う
外注先とのやり取りには時間がかかります。「今日撮影して、明日公開したい」という柔軟な対応は難しくなります。また、企業の「らしさ」や「熱量」は、社員自身が出演・撮影することで初めて伝わります。

理由③:ハイブリッド型は両方の良いとこ取りができる
撮影(出演・企画含む)は社内で行い、時間のかかる編集作業だけを外注する。これにより、「企業の熱量」と「プロのクオリティ」を両立しながら、コストも抑えられます。

それぞれの方法のメリット・デメリットを、詳しく比較していきましょう。

選択肢①:完全内製(すべて自社で行う)

完全内製は、「時間はあるがお金がない」「社内にスキルを蓄積したい」という企業に向いています。ただし、継続には強い意志と仕組みづくりが必要です。

■ メリット

メリット具体的な内容ビジネスへのインパクト
①外注費ゼロ制作にかかる直接費用はほぼなしキャッシュアウトを最小限に抑えられる
②スピードと柔軟性思い立ったらすぐ撮影・公開できるトレンドや時事ネタへの即時対応が可能
③ノウハウの蓄積作るほどスキルが向上し、社内資産になる長期的に見ると制作効率が上がり続ける
④修正の自由度気になる部分をいつでも自分で直せる品質の微調整がストレスなくできる
⑤「らしさ」の表現社員が直接関わることで熱量が伝わる視聴者との信頼関係を構築しやすい
表12:完全内製のメリット

■ デメリット

デメリット具体的な内容リスク・影響
①隠れた時間コスト企画〜編集まで1本10〜20時間かかることも本業の時間を圧迫。機会損失が発生
②品質の限界プロと同等のクオリティは難しい競合がプロ品質だと見劣りする可能性
③継続の難しさ忙しくなると後回しになりがち投稿が不定期になり、チャンネル成長が停滞
④属人化リスク担当者が辞めるとノウハウがなくなるチャンネル運用が突然止まる可能性
⑤客観的視点の欠如社内だけだと「井の中の蛙」になりやすい視聴者目線からズレた動画を作り続けてしまう
表13:完全内製のデメリット

月4本の動画を完全内製する場合の「隠れたコスト」を試算してみましょう。

  • 1本あたりの作業時間:企画2時間+撮影2時間+編集6時間=10時間
  • 月4本×10時間=月40時間
  • 担当者の時給を3,000円とすると:40時間×3,000円=月12万円相当

「無料」と思っていた内製も、人件費を換算すると月12万円のコストがかかっています。この時間を営業活動に充てていたら、いくらの売上を生み出せたか——この「機会損失」も考慮する必要があります。

完全内製が向いているのは、動画制作を「投資」ではなく「スキル習得」と捉えられる企業です。将来的に動画マーケティングを内製化したい、社内クリエイターを育てたい、という長期的視点がある場合は有効な選択肢です。

選択肢②:完全外注(すべてプロに任せる)

完全外注は、「時間がないがお金はある」「すぐに成果を出したい」という企業に向いています。ただし、コストが高く、外注先への依存度が高まるリスクがあります。

■ メリット

メリット具体的な内容ビジネスへのインパクト
①プロ品質の動画映像・音声・編集すべてがハイクオリティ企業ブランドの向上、競合との差別化
②本業への集中動画制作に時間を取られない営業・開発など本業に100%リソースを投下
③安定した投稿社内が忙しくても投稿が止まらないチャンネル成長に必要な継続性を担保
④プロの知見YouTubeアルゴリズムや業界トレンドに詳しい効果的な戦略立案、失敗リスクの軽減
⑤スケーラビリティ投稿頻度を増やしたいときにすぐ対応可能事業成長に合わせた柔軟な拡大
表14:完全外注のメリット

■ デメリット

デメリット具体的な内容リスク・影響
①高コスト1本50万円〜、月額運用代行で20万円〜予算が限られる中小企業には負担大
②コミュニケーションコストイメージの共有、修正依頼のやり取り意図と違う動画が上がってくるリスク
③外注先への依存ノウハウが社内に残らない外注先との契約終了後、運用が止まる
④柔軟性の低下急な企画変更や修正に対応しにくいトレンドへの即時対応が難しい
⑤「らしさ」の希薄化外部制作だと企業の熱量が伝わりにくい視聴者との距離ができやすい
表15:完全外注のデメリット

月4本の動画を完全外注する場合のコストを試算してみましょう。

  • 企画〜編集までフル外注(制作会社):1本30万円×4本=月120万円
  • 年間コスト:120万円×12ヶ月=年間1,440万円

これだけの投資をするなら、「月にいくらの売上を生み出せば元が取れるか」を明確にしておく必要があります。YouTube経由で月150万円以上の売上が見込めるなら、十分にペイする投資です。

完全外注が向いているのは、「時間を買ってでも早く成果を出したい」「予算に余裕がある」企業です。特に、すでにYouTube以外のマーケティングで成果が出ていて、新たなチャネルとして本格参入したい場合に有効です。

選択肢③:ハイブリッド型(内製+部分外注)【おすすめ】

多くの企業にとって最適解となるのが、「撮影は内製、編集は外注」というハイブリッド型です。コストと品質のバランスが最も取りやすく、継続性も確保できます。

理由①:編集が最も時間がかかり、スキル差が出やすい
動画制作の中で最も時間がかかるのは「編集」です。10分の動画を編集するのに、初心者なら3〜5時間、プロなら1〜2時間。この差を外注で埋めることで、社内リソースを大幅に節約できます。

理由②:撮影(出演)は「らしさ」を伝える核心部分
企業の魅力や熱量は、社員が自ら話すことで初めて伝わります。ここを外注すると「どこかで見たような動画」になりがち。撮影・出演は内製で行い、企業の個性を守りましょう。

理由③:コストパフォーマンスが最も高い
編集外注は1本5,000円〜3万円程度。月4本なら2万円〜12万円で済みます。完全外注の1/10以下のコストで、プロ品質の動画が作れます。

工程担当所要時間(社内)外注コスト
企画・構成内製1〜2時間
撮影・出演内製1〜2時間
編集外注5,000円〜3万円/本
サムネイル作成内製 or 外注30分〜1時間1,000円〜3,000円/枚
公開・運用内製30分
表16:ハイブリッド型の工程分担例

コスト試算(月4本の場合):

  • 社内作業時間:(企画2h+撮影2h+公開0.5h)×4本=月18時間(人件費換算:約5.4万円)
  • 編集外注:1.5万円×4本=月6万円
  • 合計:月11.4万円相当(完全内製より少し安く、完全外注の1/10)

ハイブリッド型は、「コストを抑えながら、プロ品質を実現し、継続もできる」という、いいとこ取りの方法です。特に、YouTube運用を始めたばかりの企業、予算が限られている中小企業におすすめです。

【判断フローチャート】あなたの会社はどのパターン?

以下のチェックリストで、自社に最適な方法を判断してください。

判断基準完全内製向きハイブリッド型向き完全外注向き
月間予算5万円未満5万円〜30万円30万円以上
動画制作に使える時間週10時間以上週3〜10時間ほとんどない
求める品質そこそこでOKプロ並みが理想最高品質を求める
社内の動画スキル経験者がいる撮影はできるまったくない
投稿頻度の目標月1〜2本週1本(月4本)週2本以上
長期的な目標スキルを蓄積したいコスパよく成果を出したいとにかく早く成果を出したい
YouTube以外のマーケ予算ほぼなし中程度潤沢にある
表17:内製・ハイブリッド・外注の判断チェックリスト

判断のポイント:多くの企業は「ハイブリッド型向き」の列に該当するはずです。迷ったら、まずはハイブリッド型で始めてみて、必要に応じて内製比率を上げるか、外注比率を上げるか調整していくのがおすすめです。

「自作か外注か」は二者択一ではありません。自社の状況(予算・時間・スキル・目標)に応じて、最適なバランスを見つけることが大切です。まずは「撮影は内製、編集は外注」のハイブリッド型から始めてみてください。そこから、うまくいけば内製比率を上げてコスト削減、うまくいかなければ外注比率を上げて品質向上——という調整ができます。

💡筆者のひとこと

私がこれまで支援してきた企業の中で、最も成功率が高かったのは「ハイブリッド型」でスタートした企業です。完全内製で始めた企業は「忙しくなって続かなくなる」、完全外注で始めた企業は「コストが合わなくなって撤退する」というパターンが多かったです。まずは「撮影は自分たちで、編集はプロに」という分担で1本作ってみてください。その1本の経験から、「ここは内製でもいける」「ここはやっぱり外注したい」という判断ができるようになります。最初から完璧な体制を目指す必要はありません。走りながら調整していきましょう。

YouTube動画制作の外注費用相場|編集のみ〜フル外注まで【2025年版】

外注を検討している人が一番気になるのは、やっぱり「いくらかかるの?」ということですよね。

ここでは、2025年時点の最新の費用相場を、できるだけ具体的にお伝えします。

外注費用の全体像

外注費用は「何を頼むか」「誰に頼むか」で大きく変わります。

依頼内容フリーランス制作会社(中小)制作会社(大手)
編集のみ(10分動画)5,000円〜2万円1万円〜5万円3万円〜10万円
撮影+編集3万円〜10万円10万円〜30万円30万円〜80万円
企画〜撮影〜編集(全部おまかせ)10万円〜30万円30万円〜80万円50万円〜200万円
チャンネル運用代行(月額)10万円〜20万円20万円〜50万円50万円〜100万円以上
コンサルティング(月額)5万円〜15万円10万円〜30万円30万円〜50万円
表7:YouTube動画制作の外注費用相場【2025年最新版】

編集だけ頼む場合

撮影は自分でやって、編集だけ外注するパターンです。これが一番コストを抑えられます。

10分程度の動画なら、1本あたり5,000円〜5万円が相場です。

編集の複雑さ(テロップの量、アニメーションの有無など)によって変わります。

全部おまかせ(フル外注)の場合

企画から撮影、編集まで、すべてを任せるパターンです。

平均的な相場は、1本あたり50万円〜100万円です。

「え、そんなに高いの!?」と驚くかもしれませんが、プロのカメラマン、照明スタッフ、ディレクター、編集者…といった複数の人が関わるため、どうしてもこのくらいの金額になります。

チャンネル運用代行の場合

動画制作だけでなく、チャンネル全体の戦略設計や運用を任せるパターンです。

相場は月額20万円〜50万円程度。年間にすると240万円〜600万円になります。

💡筆者のひとこと

費用を見て「高い…」と感じた人も多いと思います。でも、考え方を変えてみてください。たとえば月30万円で運用代行を頼んで、そこから月50万円の売上が生まれたらどうでしょう?投資として考えれば、十分にペイする可能性があります。大切なのは「費用」ではなく「費用対効果」です。

YouTube動画制作の外注先の選び方|失敗しない5つのポイント

外注先選びで最も重要なのは、「動画が作れるかどうか」ではなく「YouTubeで成果を出せるかどうか」です。映像制作のスキルとYouTube運用のスキルは別物。この違いを理解せずに外注先を選ぶと、「お金をかけたのに再生されない」という失敗に陥ります。

なぜ外注先選びがそれほど重要なのでしょうか?

理由①:外注先によって成果に10倍以上の差が出る
同じ予算でも、外注先の選び方次第で「再生回数10万回の動画」になるか「再生回数1,000回の動画」になるか——これほどの差が出ます。特にYouTubeは「企画力」「サムネイル」「タイトル設計」など、映像制作以外のスキルが成果を左右します。

理由②:一度選ぶと変更しにくい
外注先との関係構築には時間がかかります。自社の理念、ターゲット、トーン&マナーを理解してもらうまでに数ヶ月かかることも。だからこそ、最初の選定で失敗すると、時間とお金の両方を無駄にします。

理由③:「安さ」で選ぶと結局高くつく
安い外注先を選んで失敗し、作り直しや別の外注先への依頼が発生するケースは非常に多いです。最初から「少し高くても信頼できる外注先」を選んだほうが、トータルコストは安くなります。

外注先の選択肢と、失敗しないための5つのチェックポイントを詳しく解説します。

外注先の3つの選択肢|それぞれの特徴と向いている企業

外注先は大きく「動画制作会社」「フリーランス」「クラウドソーシング」の3種類。予算と求める品質、リスク許容度で選びましょう

外注先費用感品質メリットデメリットこんな企業におすすめ
動画制作会社高い(1本10万円〜)安定して高い実績豊富、品質保証、一括対応費用が高い、小回りが利きにくい予算があり確実に成果を出したい企業
フリーランス中程度(1本1万円〜)人による費用が安い、柔軟に対応、直接やり取り品質にバラつき、稼働が不安定予算を抑えたい、信頼できる人を見つけたい企業
クラウドソーシング安い(1本5,000円〜)玉石混交最も安い、手軽に発注、多くの選択肢品質管理が難しい、やり取りが大変とにかく安く試してみたい、社内でディレクションできる企業
表18:外注先の種類と特徴比較

■ 動画制作会社
複数のクリエイターがチームで対応するため、品質が安定しています。ディレクター、カメラマン、編集者など、各工程のプロが担当。大手企業や、ブランドイメージを重視する企業に向いています。ただし、最低発注金額が設定されていることが多く、小規模な案件には対応してもらえないことも。

■ フリーランス
個人で活動するクリエイターに直接依頼する方法。制作会社を通さないため、費用を抑えられます。ただし、スキルや対応力は人によって大きく異なるため、「当たり外れ」があります。信頼できるフリーランスを見つけられれば、長期的なパートナーになれます。

■ クラウドソーシング
ランサーズ、クラウドワークス、ココナラなどのプラットフォームで発注する方法。最も手軽で安価ですが、品質管理は発注者側の責任。明確な指示書を作成し、こまめにチェックできる体制が必要です。「とりあえず1本試してみたい」という企業に向いています。

失敗しない外注先選び|5つのチェックポイント

外注先を選ぶ際に必ず確認すべき5つのポイントを、それぞれPREP法で解説します。

ポイント①:YouTube動画の制作実績があるか?

「動画制作の実績」ではなく「YouTube動画の制作実績」を確認してください。テレビCMやプロモーション映像の実績だけでは不十分です。

YouTubeとテレビCMでは、求められるスキルがまったく異なります。

項目テレビCM・プロモ映像YouTube動画
尺(長さ)15秒〜60秒5分〜20分
視聴環境受動的(流れてくる)能動的(自分で選ぶ)
重要な要素映像美、インパクトサムネイル、タイトル、冒頭10秒、視聴維持率
成果指標認知度、ブランドイメージ再生回数、登録者数、CTR、視聴維持率
必要な知識映像制作技術映像制作技術+YouTubeアルゴリズム+SEO
表19:テレビCMとYouTube動画の違い

  • 過去に制作したYouTube動画のURLを見せてもらう
  • その動画の再生回数、視聴維持率を確認する
  • 自社と同じ業界・ターゲットの実績があるか確認する
  • チャンネル登録者数の伸びに貢献した実績があるか確認する

「きれいな映像が作れる」だけでは不十分。「YouTubeで再生される動画が作れる」実績を確認しましょう。

ポイント②:見積もりの内訳は明確か?

「合計〇〇万円」ではなく、工程ごとの内訳を必ず確認してください。内訳が不明確な見積もりは、後から追加費用を請求されるリスクがあります。

動画制作には多くの工程があり、それぞれに費用がかかります。内訳を把握していないと、「これは別料金です」と後から請求され、予算オーバーになることも。また、内訳がわかれば「この工程は自社でやるから削ってほしい」という交渉もできます。

項目内容確認ポイント
企画・構成費動画の企画立案、構成シート作成何案まで提案されるか?
撮影費カメラマン人件費、機材費撮影時間の上限は?延長料金は?
スタジオ費撮影場所のレンタル費用自社オフィス撮影なら不要
出演者費ナレーター、タレント起用費社員出演なら不要
編集費カット編集、テロップ、BGM挿入テロップの量、アニメーションの有無で変動
ディレクション費全体の進行管理制作会社の場合は必須
修正対応費修正作業の費用何回まで無料?追加修正の単価は?
サムネイル費サムネイル画像の制作含まれているか別料金か?
表20:見積もりに含まれるべき項目と確認ポイント

見積もりは「総額」だけでなく「内訳」を確認。特に「修正対応」「追加撮影」「サムネイル」が含まれているかは必ずチェックしましょう。

ポイント③:コミュニケーションは取りやすいか?

外注先選びで最も見落とされがちなのが「コミュニケーションの質」です。どんなにスキルが高くても、意思疎通がうまくいかなければ、思い通りの動画は作れません。

動画制作は「発注して終わり」ではありません。企画の擦り合わせ、撮影の段取り、編集のフィードバック、修正依頼…と、何度もやり取りが発生します。レスポンスが遅い、質問に的確に答えてもらえない、認識がズレやすい——こうした問題があると、制作がスムーズに進まず、ストレスが溜まります。

確認項目理想的な状態要注意なサイン
返信スピード24時間以内に返信がある数日経っても返信がない
担当者の固定窓口担当者が一貫して対応毎回違う人が対応、引き継ぎがない
連絡手段チャット(Slack、Chatworkなど)で気軽にやり取りメールのみ、電話のみ
提案力課題に対して具体的な提案がある言われたことしかやらない
ヒアリング目的・ターゲットを丁寧に聞いてくるいきなり見積もりを出してくる
表21:コミュニケーション品質のチェックポイント

最初の問い合わせ対応が、その後のコミュニケーション品質を反映しています。返信スピード、質問への的確な回答、ヒアリングの丁寧さをチェックしましょう。

ポイント④:修正回数・納期・契約条件は明確か?

トラブルの多くは「契約条件の曖昧さ」から生まれます。修正回数、納期、キャンセルポリシーなど、契約前に必ず書面で確認しましょう。

「修正は何回でもOK」と口約束していたのに、3回目から追加料金を請求された。納期が1週間遅れたのに謝罪もなかった。こうしたトラブルは、事前に契約書で条件を明確にしておけば防げます。

確認項目確認すべき内容一般的な条件の目安
修正回数無料で対応してもらえる修正の上限2〜3回が一般的
追加修正の単価上限を超えた場合の追加費用1回あたり5,000円〜1万円
大幅変更の定義「軽微な修正」と「大幅な変更」の線引き構成変更、撮り直しは大幅変更
納期発注から納品までの期間編集のみ:1週間、撮影込み:2〜3週間
納期遅延時の対応遅れた場合のペナルティや対応割引、優先対応など
キャンセルポリシー途中キャンセル時の費用負担着手後は50%〜100%が発生
著作権の帰属完成した動画の権利は誰のものか納品後は発注者に帰属が一般的
表22:契約前に確認すべき条件一覧

口約束は禁物。すべての条件を契約書または発注書で明文化しましょう。後からトラブルになった際に、自分を守る証拠になります。

ポイント⑤:YouTube運用の知識があるか?

これが最も重要なポイントです。「動画が作れる」ことと「YouTubeで成果を出せる」ことは、まったく別のスキル。外注先がYouTubeのアルゴリズムやSEOを理解しているか、必ず確認してください。

YouTubeで成果を出すためには、映像制作のスキルに加えて、以下の知識が必要です。

  • YouTubeアルゴリズムの理解:どんな動画がおすすめに表示されるか
  • YouTube SEOの知識:検索で上位表示されるためのタイトル・説明文・タグ設計
  • サムネイル設計:クリック率を高めるデザインの法則
  • 視聴維持率の最適化:最後まで見てもらうための構成技術
  • アナリティクスの読み解き:データを分析し、改善につなげる能力

これらの知識がない外注先に依頼すると、「きれいな動画は作れたけど、誰にも見てもらえない」という結果になります。

外注先に以下の質問をしてみてください。的確に答えられるかどうかで、YouTube運用の知識レベルがわかります。

質問期待する回答の例要注意な回答
「YouTubeで再生回数を伸ばすために、どんな工夫をしていますか?」サムネイルのA/Bテスト、タイトルのキーワード設計、冒頭10秒の構成など具体的な施策「とにかく良い動画を作ります」「バズる動画を作ります」など抽象的
「視聴維持率を高めるためにどんな編集をしていますか?」テンポの良いカット、テロップの入れ方、フックの設計など「視聴維持率って何ですか?」
「過去に担当したチャンネルで、どのくらい登録者を伸ばしましたか?」具体的な数字と、そのために行った施策「動画制作だけなので、その後は関知していません」
表23:外注先のYouTube知識を確認する質問

外注先を選ぶ際は、「映像制作のプロ」ではなく「YouTube運用のプロ」かどうかを見極めましょう。最終的な目的は「きれいな動画を作ること」ではなく「YouTubeで成果を出すこと」です。

【チェックリスト】外注先選定の最終確認

外注先を決める前に、以下のチェックリストで最終確認をしてください。

チェック項目確認できたらチェック
□ YouTube動画の制作実績(URL)を確認した 
□ 過去の動画の再生回数・視聴維持率を確認した 
□ 自社と同じ業界の実績があることを確認した 
□ 見積もりの内訳をすべて確認した 
□ 修正回数と追加修正の費用を確認した 
□ 納期と遅延時の対応を確認した 
□ 返信スピード・コミュニケーション品質を確認した 
□ YouTubeアルゴリズム・SEOの知識があることを確認した 
□ 契約条件を書面で明確にした 
□ 複数の外注先から相見積もりを取った 
表24:外注先選定の最終チェックリスト

外注先選びは、YouTube運用の成否を左右する重要な意思決定です。「安さ」や「見た目のきれいさ」ではなく、「YouTubeで成果を出せるかどうか」を基準に選びましょう。最初の選定に時間をかけることで、後のトラブルや無駄なコストを防ぐことができます。

💡筆者のひとこと

私がこれまで見てきた中で、外注先選びに失敗するパターンは2つあります。1つは「とにかく安いところ」を選んでしまうケース。もう1つは「テレビCMの実績が豊富だから」という理由で選んでしまうケース。どちらも「YouTubeで成果を出す」という本来の目的からズレています。最初の問い合わせで「過去にYouTubeで再生回数を伸ばした実績を教えてください」と聞いてみてください。この質問に具体的な数字と施策で答えられる外注先なら、信頼できる可能性が高いです。

YouTube動画で成果を出した企業の成功事例5選

企業YouTubeで成果を出すために必要なのは、「大きな予算」でも「特別なスキル」でもありません。成功企業に共通するのは、「明確なターゲット設定」「一貫した専門性」「継続的な発信」の3つです。

なぜこの3つが重要なのでしょうか?

理由①:YouTubeは「誰に届けるか」が明確なほど伸びる
「万人向け」の動画は、実は誰にも刺さりません。「30代の子育て中のママ向け」「中小企業の経営者向け」など、ターゲットを絞り込むほど、その層に深く刺さるコンテンツが作れます。

理由②:専門性が「指名検索」を生む
「〇〇といえばこのチャンネル」と認識されると、視聴者は検索ではなく「チャンネル名」で直接アクセスするようになります。この「指名検索」が増えると、アルゴリズムに依存しない安定した視聴者基盤ができます。

理由③:YouTubeのアルゴリズムは「継続」を評価する
YouTubeは、定期的に投稿するチャンネルを「アクティブなチャンネル」として評価し、おすすめに表示しやすくします。逆に、投稿が途切れると、せっかく獲得した視聴者との接点が失われます。

この3つの要素を実践し、成果を出している企業の事例を5つ紹介します。それぞれの「業界」「課題」「施策」「成果」を分析し、自社に応用できるポイントを解説します。

事例1:北欧、暮らしの道具店|EC売上に直結する世界観マーケティング

項目内容
企業名株式会社クラシコム
業界EC(ライフスタイル雑貨)
チャンネル開設2018年(本格運用開始)
登録者数100万人突破(2025年4月)
成果YouTube経由でのEC売上増加、ブランド認知の全国拡大

「商品を売り込まない」コンテンツ戦略で、ファンを作り、結果的に売上につなげるモデルの成功例です。

①「売り込まない」コンテンツ設計
商品紹介ではなく、「暮らしの中で商品が使われている様子」をVlog形式で発信。視聴者は「広告を見せられている」と感じず、純粋にコンテンツとして楽しめます。結果として、商品への好感度と購買意欲が自然に高まります。

②一貫した世界観の維持
映像のトーン、BGM、ナレーションのテイストが、すべての動画で統一されています。この一貫性が「北欧、暮らしの道具店らしさ」を形成し、ブランドの世界観を強化しています。

③EC導線の設計
動画の説明欄に、動画内で使用されている商品へのリンクを設置。「この動画で紹介したアイテム」として自然に購買導線を作っています。

  • 2018年:YouTube本格運用開始
  • 2020年:コロナ禍で「おうち時間」需要が急増、チャンネル登録者数が前年比4倍
  • 2022年3月:50万人突破
  • 2025年4月:100万人突破(企業チャンネルとしては異例の規模)

  • 商品・サービスを直接売り込むのではなく、「顧客の理想の生活」を見せる
  • すべての動画で世界観を統一し、ブランドイメージを構築する
  • 動画からECサイトへの導線を自然に設計する

https://www.youtube.com/watch?v=GsqT32bbxdk
北欧、暮らしの道具店|世界観で魅せるブランドマーケティングの実例

事例2:StockSunチャンネル|BtoB企業でも成果を出せることを証明

項目内容
企業名StockSun株式会社
業界Webマーケティング(BtoB)
ターゲット中小企業の経営者、マーケティング担当者、フリーランス
成果約4,500名を集めた大規模イベント開催、YouTube経由での法人問い合わせ多数

「BtoBはYouTube向きじゃない」は思い込み。専門知識を惜しみなく発信することで、法人顧客からの「指名問い合わせ」を獲得できます。

①ノウハウの「出し惜しみなし」戦略
「そこまで教えていいの?」というレベルの専門知識を、無料で公開。「これだけ知識があるなら、実際に依頼したらもっとすごいはず」という信頼を獲得しています。

②社員の「顔出し」による信頼構築
代表や社員が顔出しで出演し、人柄や専門性をアピール。視聴者は「この人に頼みたい」という「指名」で問い合わせをしてくるため、商談の成約率が高くなります。

③オフラインイベントとの連動
2023年3月に開催した「フリーランスサミット」には、約4,500名が来場。YouTubeで構築したファンベースを、リアルイベントに動員することで、さらにエンゲージメントを高めています。

  • BtoB企業でも、「ターゲットが個人として情報収集する場」としてYouTubeは有効
  • 専門知識は出し惜しみせず、信頼構築に使う
  • 顔出しで「この人に頼みたい」という指名を獲得する

https://www.youtube.com/watch?v=EHgH9Cd6j7w
StockSun|専門知識の発信でBtoB顧客を獲得する方法

事例3:佐藤葬祭|ニッチ業界で「検索上位独占」を実現

項目内容
企業名有限会社佐藤葬祭
業界葬儀業(地域密着型)
運用開始2015年
動画本数2,200本超
成果「葬儀」関連キーワードで検索上位独占、全国からの認知獲得、広告収入

競合がいない「ブルーオーシャン」で早期参入し、圧倒的な動画本数で検索結果を独占。ニッチ業界ほど、YouTube活用の効果は大きくなります。

①競合不在の市場への早期参入
「葬儀屋がYouTube?」と誰もが思う中、2015年という早い段階でYouTubeを開始。競合がいない分野で先行者利益を獲得しました。

②「量」で検索結果を制圧
2,200本超という圧倒的な動画本数により、葬儀に関するあらゆる検索キーワードで上位表示を実現。「葬儀 費用」「葬儀 マナー」「葬儀 服装」など、関連キーワードを網羅的にカバーしています。

③社長自らの出演で信頼感を獲得
佐藤社長が自ら出演し、葬儀に関する疑問にわかりやすく回答。葬儀という繊細なテーマだからこそ、「この人なら信頼できる」という安心感が重要です。

東京の地域密着型ビジネスでありながら、YouTubeを通じて全国からの認知を獲得。実際の葬儀依頼につながるケースもあり、さらに広告収入も得ています。「地域密着×YouTube」の可能性を示す好例です。

  • 競合がYouTubeをやっていない業界こそチャンス
  • 「量」で検索結果を制圧する戦略も有効
  • 社長・専門家自らの出演で信頼感を構築

事例4:不動産投資の楽待|メディア型チャンネルで100万人突破

項目内容
企業名楽待株式会社(株式会社ファーストロジック)
業界不動産投資プラットフォーム
登録者数100万人突破(2024年)
投稿頻度毎日複数本
成果本業の不動産投資サービスへの集客、業界での圧倒的な認知度

「企業チャンネル」ではなく「メディアチャンネル」として運用することで、100万人規模のオーディエンスを構築。専門メディアとしての地位を確立しています。

①圧倒的なコンテンツ量
毎日複数本の動画を投稿するという、業界屈指の更新頻度。この「量」がYouTubeアルゴリズムに評価され、おすすめ表示される機会が増加しています。

②専門家・ゲストとのコラボ
不動産投資の専門家、成功した投資家、業界関係者などをゲストに招いた対談形式のコンテンツ。多様な視点を提供することで、幅広い視聴者ニーズに対応しています。

③関連分野への拡張
不動産投資だけでなく、株式投資、経済ニュース、資産形成など、関連分野にコンテンツを拡張。「お金に関することなら楽待」というポジションを確立しています。

  • 「企業チャンネル」ではなく「専門メディア」として位置づける
  • 更新頻度を高め、アルゴリズムに評価される
  • 外部の専門家とのコラボで、コンテンツの幅を広げる

事例5:設計事務所のルームツアー動画|トレンド×専門性で新規参入でも成功

項目内容
業界建築設計・工務店
コンテンツ形式ルームツアー動画
ターゲット注文住宅を検討している30〜40代
成果新規問い合わせ増加、「YouTubeを見て」という来店多数

YouTube上で人気の「ルームツアー」というフォーマットを活用し、新規参入でも短期間で視聴者を獲得。トレンドに乗ることの重要性を示す事例です。

①トレンドフォーマットの活用
「ルームツアー」は、YouTubeで非常に人気のあるコンテンツ形式。このキーワードをタイトルに入れることで、検索・おすすめ経由での流入を獲得しています。

②設計士自らの解説で専門性をアピール
ただ部屋を映すだけでなく、設計士が「なぜこの間取りにしたか」「どんな工夫があるか」を解説。視聴者は「この人に設計を頼みたい」と思うようになります。

③サムネイルでのビジュアル訴求
おしゃれな空間の写真をサムネイルに使用。「こんな家に住みたい」という視聴者の憧れを刺激し、クリック率を高めています。

  • YouTube上で人気のあるコンテンツ形式(トレンド)を活用する
  • トレンドに自社の専門性を掛け合わせる
  • ビジュアル訴求できる業界は、サムネイルで差別化しやすい

https://www.youtube.com/shorts/14yWY158o1o
【ショート動画】設計事務所のルームツアー|トレンド×専門性の成功事例

【分析】成功企業に共通する3つの法則

5つの成功事例を分析すると、共通する「成功の法則」が見えてきます。

法則内容具体例
①ターゲットが明確「誰に届けるか」が具体的に定義されている北欧暮らし→「丁寧な暮らしに憧れる女性」、StockSun→「中小企業経営者」
②専門性で差別化自社ならではの知識・ノウハウを惜しみなく発信佐藤葬祭→「葬儀のプロ」、楽待→「不動産投資のプロ集団」
③継続的に発信数ヶ月〜数年にわたって一貫して投稿を続けている佐藤葬祭→2015年から継続、楽待→毎日複数本投稿
表25:成功企業に共通する3つの法則

【重要】これらの法則は、予算や会社規模に関係なく実践できます。大企業だけが成功しているわけではありません。むしろ、「経営者自らが出演できる」「意思決定が速い」という点で、中小企業のほうが有利な面もあります。

【自社適用チェックリスト】成功事例から学ぶべきポイント

以下のチェックリストで、自社のYouTube戦略に成功事例のエッセンスを取り入れられているか確認してください。

チェック項目参考事例
□ ターゲット(ペルソナ)を具体的に設定しているか全事例共通
□ 「売り込み」ではなく「価値提供」を優先しているか北欧暮らし、StockSun
□ 自社ならではの専門性を発揮しているか佐藤葬祭、楽待
□ 継続的に投稿できる体制を構築しているか全事例共通
□ 社長・専門家が顔出しで出演しているか佐藤葬祭、StockSun、ルームツアー
□ YouTubeから本業への導線を設計しているか北欧暮らし、楽待
□ 競合が少ない領域(ブルーオーシャン)を狙っているか佐藤葬祭
□ トレンドを取り入れているかルームツアー
表26:成功事例から学ぶべきポイント チェックリスト

成功企業の共通点は、「特別な才能」や「巨額の予算」ではありません。「明確なターゲット」「一貫した専門性」「継続的な発信」——この3つを愚直に実践しているかどうかです。どの事例も、最初は登録者0人からスタートしています。大切なのは、今日から始めること。そして、半年、1年と続けることです。

💡筆者のひとこと

成功事例を見ると「すごいな、うちには無理かも」と思うかもしれません。でも、どのチャンネルも最初は登録者0人、再生回数0回からスタートしています。佐藤葬祭も、最初の数年は再生回数が伸び悩んでいました。しかし、コツコツと投稿を続けた結果、今では2,200本超の動画を持つ業界トップのチャンネルになっています。私の経験上、YouTube運用で成果が見え始めるのは早くても6ヶ月後。「半年間は種まき期間」と割り切って、結果が出なくても続けることが、成功への唯一の道です。

YouTube動画の作り方でよくある失敗と対策

企業YouTubeで失敗するパターンは、ほぼ決まっています。「目的の不明確さ」「継続できない」「視聴者目線の欠如」「リスク管理の甘さ」「PDCAを回さない」——この5つです。逆に言えば、この5つを回避すれば、成功確率は大幅に上がります

なぜ同じ失敗パターンが繰り返されるのでしょうか?

理由①:YouTubeは「始めるのは簡単、続けるのは難しい」メディア
チャンネル開設は5分でできます。しかし、成果が出るまでには半年〜1年かかります。この「簡単に始められるのに、成果が出るまで時間がかかる」というギャップが、多くの挫折を生んでいます。

理由②:「動画を作ること」が目的化しやすい
本来の目的は「YouTubeで成果を出すこと」のはず。しかし、いつの間にか「動画を作ること」自体が目的になり、視聴者ニーズや分析改善がおろそかになるケースが非常に多いです。

理由③:企業特有の「承認プロセス」「リスク回避志向」が足かせになる
個人YouTuberと違い、企業は「承認に時間がかかる」「炎上を恐れて無難な内容になる」という制約があります。これが、スピード感や独自性を損なう原因になっています。

企業YouTubeでよくある5つの失敗パターンと、その具体的な対策を解説します。

失敗①:目的を決めずに「とりあえず」始めてしまう

「なぜYouTubeをやるのか」が曖昧なまま始めると、チャンネルの方向性がブレ、誰にも刺さらないコンテンツになります。これが最も多い失敗パターンです。

  • 「競合がやっているから」「流行っているから」という理由で始めてしまう
  • 社内で「YouTubeやりましょう」という号令が出たが、具体的な目標が設定されていない
  • 担当者に丸投げされ、何を目指せばいいかわからないまま進めてしまう

失敗パターン結果
認知拡大を目指すはずが、商品紹介動画ばかり作ってしまう視聴者に「広告ばかり」と思われ、チャンネル登録されない
採用強化のはずが、社内の偉い人の挨拶動画を作ってしまう求職者が見たい情報がなく、応募につながらない
目的が決まっていないので、毎回違うテイストの動画になるチャンネルの世界観が定まらず、ファンがつかない
表27:目的不明確による失敗パターン

やるべきこと具体的なアクション
①目的を明文化する「認知拡大」「リード獲得」「採用強化」など、1つの目的を選ぶ
②KPIを設定する「半年後に登録者1,000人」「月間問い合わせ10件」など、数値目標を決める
③目的とKPIを関係者全員で共有する担当者だけでなく、上司・経営層も含めて認識を揃える
表28:目的を明確にするための対策

始める前に必ず「YouTubeで何を達成したいか」を言語化しましょう。目的が決まれば、ターゲット・コンテンツ・KPIがすべて連動して決まります

失敗②:成果が出る前にやめてしまう

YouTubeで成果が出るまでには、最低でも半年〜1年かかります。しかし、多くの企業が3ヶ月程度で「効果がない」と判断し、撤退してしまいます。これは非常にもったいない失敗です。

  • 「YouTubeはすぐに成果が出る」という誤解がある
  • 経営層から「早く結果を出せ」というプレッシャーがかかる
  • 担当者が異動・退職し、引き継ぎがうまくいかない
  • 投稿頻度が高すぎて、担当者が疲弊してしまう

YouTubeチャンネルの成長は、一般的に以下のようなカーブを描きます。

期間状態心理的な罠
0〜3ヶ月ほとんど再生されない。登録者も増えない「やっても意味がない」と感じやすい
3〜6ヶ月少しずつ再生が増え始める。一部の動画がヒット「もう少しで成果が出る」か「やっぱり無理」の分岐点
6〜12ヶ月アルゴリズムに認識され、おすすめ表示が増加継続していれば成長が加速する時期
1年以降過去の動画も再生され、「資産」として機能し始めるここまで続けた企業は成功確率が高い
表29:YouTubeチャンネルの成長カーブ

やるべきこと具体的なアクション
①最低1年は続ける計画を立てる経営層に「成果が出るまで1年かかる」ことを事前に説明し、合意を得る
②無理のない投稿頻度を設定する週1本が理想だが、難しければ隔週でもOK。継続できる頻度を優先
③担当者の属人化を防ぐ複数人で運用するか、マニュアル化して引き継ぎ可能な状態にする
④小さな成功を可視化する「再生回数が先月より20%増えた」など、進捗を定期的に報告
表30:継続するための対策

YouTubeは「短距離走」ではなく「マラソン」です。「半年間は種まき期間」と割り切り、結果が出なくても続ける覚悟を持ちましょう。

失敗③:「会社が言いたいこと」を発信してしまう

「会社が伝えたいこと」と「視聴者が見たいこと」は、往々にして異なります。視聴者のニーズを無視して自社の言いたいことだけを発信しても、再生されません。

  • 「せっかくYouTubeをやるなら、商品をアピールしたい」という気持ちが先行する
  • 視聴者のニーズをリサーチせず、社内の意見だけで企画を決めてしまう
  • 上司や経営層の「これを伝えてほしい」という要望に引っ張られる

会社が言いたいこと(×)視聴者が見たいこと(○)
「弊社の新製品Aは、業界初の○○機能を搭載しています」「○○で困っている人向け|解決方法3選」
「創業50年の歴史と信頼」「この業界の裏側、ぶっちゃけます」
「社長からのご挨拶」「うちの会社、こんな人が働いています|1日密着」
「サービスの特徴5つ」「〇〇を選ぶときの注意点|失敗しない方法」
表31:会社目線と視聴者目線の違い

やるべきこと具体的なアクション
①視聴者のニーズをリサーチするYouTube検索でサジェストを確認、競合動画のコメント欄を分析
②「視聴者の悩み」から企画を逆算する「視聴者は何に困っているか?」から考え、その解決策を動画にする
③アナリティクスでフィードバックを得る再生回数、視聴維持率、CTRを分析し、視聴者の反応を確認
④コメント欄の声を次の企画に活かす「こういう動画も見たい」というリクエストに応える
表32:視聴者目線に切り替えるための対策

企画を立てるときは、常に「この動画を見たい人は誰か?」「この動画を見ると、視聴者は何を得られるか?」を自問しましょう。「会社が言いたいこと」ではなく「視聴者が知りたいこと」を発信する——この発想の転換が必要です。

失敗④:炎上リスクを甘く見てしまう

YouTubeは拡散力が高いメディアです。不適切な発言や表現が一度拡散されると、企業ブランドに深刻なダメージを与えます。「うちは大丈夫」という油断が、取り返しのつかない事態を招きます。

  • 「炎上するのは有名企業だけ」という誤解
  • チェック体制が整っておらず、担当者の判断だけで公開してしまう
  • 炎上した場合の対応フローが決まっていない
  • 「バズりたい」という気持ちが先行し、過激な表現に走ってしまう

リスクの種類具体例回避方法
差別・偏見ジェンダー、人種、年齢などに関する不適切な表現複数人でチェック、多様な視点を入れる
誇大表現・虚偽「絶対に」「必ず」などの断定、効果の誇張エビデンスに基づいた表現に修正
競合批判他社を名指しで批判する内容比較は客観的なデータに基づいて行う
著作権侵害他者の音楽・映像・画像の無断使用著作権フリー素材を使用、許諾を取る
プライバシー侵害社員・顧客の許可なく映り込む出演者全員から書面で同意を取得
表33:炎上リスクのあるコンテンツと回避方法

やるべきこと具体的なアクション
①公開前の複数人チェック体制担当者以外に最低1名がチェック。可能なら異なる部署の人も
②チェックリストの作成差別表現、誇大表現、著作権などのチェック項目を明文化
③炎上時の対応フローを事前に策定誰が判断し、誰が対応するか、削除・謝罪の基準を決めておく
④「攻めすぎない」という判断基準「バズりたい」より「信頼を守る」を優先する企業文化を醸成
表34:炎上リスクを回避するための対策

「1回の炎上で、それまで積み上げた信頼が一瞬で崩れる」——このリスクを常に意識しましょう。「バズる動画」より「信頼を積み上げる動画」を目指すことが、企業YouTubeの基本姿勢です。

失敗⑤:投稿して終わり、分析・改善をしない

動画を投稿したら終わり、ではありません。YouTubeアナリティクスでデータを分析し、次の動画に活かす「PDCAサイクル」を回すことで、チャンネルは成長します。これをやらないと、いつまでも同じ失敗を繰り返します。

  • 「動画を作ること」で精一杯で、分析まで手が回らない
  • YouTubeアナリティクスの見方がわからない
  • データを見ても、どう改善すればいいかわからない
  • 「感覚」で企画を決めてしまい、データに基づいた判断をしていない

指標意味改善アクション
インプレッション数サムネイルが表示された回数少ない場合→タイトル・タグのSEOを改善
CTR(クリック率)サムネイルがクリックされた割合低い場合(4%未満)→サムネイル・タイトルを改善
平均視聴時間動画がどのくらい見られたか短い場合→冒頭のフック、構成を改善
視聴維持率動画のどこで離脱されているか離脱ポイントを特定し、その部分を改善
登録者数の変化その動画で登録者が増えたか減ったか増えた動画の特徴を分析し、横展開
表35:YouTubeアナリティクスでチェックすべき指標

やるべきこと具体的なアクション
①月1回の振り返りミーティングアナリティクスを見ながら、何がうまくいって何がダメだったかを分析
②「勝ちパターン」を見つける再生回数が多い動画の共通点を分析し、横展開
③A/Bテストを行うサムネイルやタイトルを変えて効果を検証
④改善点を次の動画に反映「前回は冒頭で離脱が多かった→今回はフックを強化」など具体的に
表36:分析・改善を習慣化するための対策

YouTubeは「作って終わり」ではなく、「作って→分析して→改善する」の繰り返しです。月1回でいいので、データを見る時間を確保しましょう。この習慣があるかどうかで、半年後の成長スピードが大きく変わります。

【チェックリスト】失敗を防ぐための事前確認

YouTube運用を始める前、または現在の運用を見直す際に、以下のチェックリストで確認してください。

チェック項目対応する失敗パターン
□ YouTubeを始める目的(認知・リード・採用など)が明文化されているか失敗①
□ 半年〜1年後のKPI(登録者数、再生回数など)が設定されているか失敗①
□ 最低1年は続ける計画と、経営層の合意があるか失敗②
□ 担当者が疲弊しない、無理のない投稿頻度が設定されているか失敗②
□ 視聴者のニーズをリサーチしてから企画を立てているか失敗③
□ 「会社が言いたいこと」ではなく「視聴者が見たいこと」を優先しているか失敗③
□ 公開前に複数人でチェックする体制があるか失敗④
□ 炎上した場合の対応フローが決まっているか失敗④
□ 月1回以上、アナリティクスを確認する時間を確保しているか失敗⑤
□ データに基づいて改善策を次の動画に反映しているか失敗⑤
表37:失敗を防ぐためのチェックリスト

企業YouTubeの失敗パターンは、ほぼ決まっています。「目的の不明確さ」「継続できない」「視聴者目線の欠如」「リスク管理の甘さ」「PDCAを回さない」——この5つを事前に認識し、対策を講じておけば、失敗確率は大幅に下がります。失敗を恐れる必要はありません。大切なのは、「よくある失敗」を知り、同じ轍を踏まないことです。

💡筆者のひとこと

失敗は誰にでもあります。私も最初の頃は、再生回数100回にも届かない動画をたくさん作りました。「目的が曖昧だった」「視聴者目線が欠けていた」「分析をサボっていた」——振り返ると、この記事で紹介した失敗パターンをすべて経験しています。でも、その失敗から学んで改善を続けた結果、少しずつ成果が出るようになりました。失敗を恐れず、「失敗したらそこから学べばいい」という気持ちで取り組んでください。そして、この記事で紹介した「よくある失敗」を事前に知っておくことで、少なくとも同じ失敗は避けられるはずです。

YouTube動画の作り方でよくある質問(FAQ)

最後に、YouTube動画制作についてよく寄せられる質問にお答えします。

Q1:初心者でも企業のYouTubeチャンネルは運営できますか?

A:はい、できます。

ただし、すべてを自分でやろうとすると負担が大きくなります。最初は編集だけ外注するなど、無理のない範囲で進めることをおすすめします。大切なのは「完璧を目指さないこと」と「続けること」です。

Q2:機材にいくらくらいかけるべきですか?

A:最初は1〜2万円あれば十分です。

スマートフォンをすでに持っていれば、ピンマイク(3,000円〜)とリングライト(5,000円〜)、スマホ用三脚(2,000円〜)を買うだけで始められます。高い機材は、チャンネルが軌道に乗ってから買い足しても遅くありません。

Q3:どのくらいの頻度で投稿すればいいですか?

A:理想は週1〜2本ですが、無理のない頻度を設定しましょう。

月2〜4本でも、長期間継続すれば成果は出ます。「毎日投稿して1ヶ月で燃え尽きる」より、「週1本を1年続ける」ほうがはるかに効果的です。継続できる頻度を設定することが最優先です。

Q4:収益化できるまでどのくらいかかりますか?

A:条件を満たすまでに半年〜2年程度が目安です。

YouTubeの収益化条件は「登録者1,000人以上」かつ「直近12ヶ月の総再生時間4,000時間以上」です。企業チャンネルの場合、広告収入より本業への集客を目的にするケースが多いので、収益化にこだわりすぎないことも大切です。

Q5:顔出しは必要ですか?

A:必須ではありませんが、顔出しのほうが有利です。

顔が見えると親近感や信頼感が生まれやすく、チャンネル登録につながりやすくなります。ただし、テキストと音声だけの動画や、キャラクターを使った動画で成功している例もあります。自社のスタイルに合った方法を選びましょう。

Q6:撮影は自社、編集は外注という分業はできますか?

A:はい、できます。むしろおすすめの方法です。

この方法なら、コストを抑えながらプロクオリティの動画を量産できます。多くの企業がこの形態で運用しています。撮影のポイントだけ押さえておけば、編集はプロに任せることで効率的に運営できます。

Q7:競合が多いジャンルでも勝てますか?

A:勝てます。ただし、差別化が必要です。

競合が多いジャンルでも、「自社ならではの切り口」「ターゲットの絞り込み」「専門性の深堀り」などで差別化できます。たとえば「料理」という競合の多いジャンルでも、「一人暮らし向けの作り置きレシピ」に特化すれば、独自のポジションを築けます。

Q8:動画の長さはどのくらいがベストですか?

A:ジャンルによりますが、8〜15分程度が一般的です。

短すぎると内容が薄くなり、長すぎると視聴者が離脱します。競合チャンネルの動画の長さを参考にしながら、自分のジャンルに合った長さを見つけましょう。最近はショート動画(60秒以内)も人気なので、併用するのもおすすめです。

Q9:再生回数が伸びないときはどうすればいいですか?

A:まずは「クリック率」と「視聴維持率」をチェックしましょう。

クリック率が低い場合は、サムネイルとタイトルを改善しましょう。視聴維持率が低い(すぐに離脱される)場合は、動画の冒頭や内容を見直しましょう。YouTubeアナリティクスで数値を確認し、仮説を立てて改善を繰り返すことが大切です。

Q10:いつ成果が出始めますか?

A:早くても半年、一般的には1年くらいかかります。

YouTubeは「積み上げ型」のメディアです。最初の数ヶ月は再生回数が伸びなくても、動画が増えてくるとチャンネル全体の評価が上がり、少しずつ伸び始めます。「3ヶ月で結果が出なかったからやめる」のではなく、最低1年は続ける覚悟で臨みましょう。

まとめ:YouTube動画制作を成功させるために

本記事では、企業がYouTube動画制作を成功させるための全体像をお伝えしました。

 

押さえておくべきポイントは5つです。

ポイント内容
①企画が8割ターゲットと目的を明確にしないまま撮影しても成果は出ない
②外注vs内製の判断基準「継続できるか」「成果を出せるか」で選ぶ
③費用相場の理解1本5万〜50万円以上まで幅広い。目的に合った投資を
④業者選びの視点「安さ」より「自社業界の理解度」と「運用サポート」で選ぶ
⑤継続が最大の差別化成功企業は例外なく「続けた」企業

しかし、ここまで読んでいただいた方の中には、こんな不安が残っているかもしれません。

「理屈はわかった。でも、自社で実行できるだろうか…」

正直にお伝えすると、YouTube動画で成果を出すには、企画・撮影・編集・運用のすべてを高いレベルで継続する必要があります。 社内リソースだけでこれを実現するのは、想像以上にハードルが高いのが現実です。

だからこそ、「信頼できる外注パートナー」の存在が成否を分けます。

カプセルメディアのご紹介

カプセルメディアでは、単なる動画制作に留まらず、「なぜ御社が選ばれるのか」を深掘りする企画設計から、成果を見据えた運用サポートまで一貫してご提供しています。

こんな課題をお持ちではありませんか?

  • ☑ YouTube動画を始めたいが、何から手をつければいいかわからない
  • ☑ 外注したいが、費用対効果が合うか不安
  • ☑ 制作会社に依頼したが、思ったような成果が出なかった
  • ☑ 自社の強みが動画でうまく伝わっていない気がする

カプセルメディアは、限られた予算でも成果が出るクリエイティブをご支援します。

「とりあえず作る」ではなく、「なぜこの動画を作るのか」から一緒に考え、貴社が”選ばれる理由”を視聴者に届ける動画を制作します。


まずは、お気軽にご相談ください。

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現状の課題をお聞かせいただければ、最適なプランをご提案いたします。

この記事の監修者
内藤昌和(カプセルメディア代表)
内藤昌和(カプセルメディア代表)
カプセルメディア代表。年間100本以上のアニメーション動画制作・コンテンツ制作を行なっているアニメーション動画制作の専門家。主に企業向けのアニメーション動画広告やSNS動画も得意としており、上場企業から中小・スタートアップ企業まで、幅広い業界の動画提供している。