コラム

縦型動画広告とは?完全視聴率が最大9倍になる理由と成果を出す制作の鉄則

目次

縦型動画広告とは?メリット・作り方・費用相場・成功事例を徹底解説【完全版】

「最近、スマホで動画を見ていると、ついつい広告まで最後まで見てしまった」
そんな経験はありませんか?

スマートフォンが生活の中心になった今、企業のマーケティング担当者にとって「縦型動画広告」は、避けては通れないキーワードです。

「自社でも取り組みたいけれど、何から始めればいいかわからない」
「横型の動画ならあるけど、それを流用してもいいの?」

もしあなたがそう考えているなら、少しだけ立ち止まってください。実は、従来の横型動画をただ縦にしただけでは、広告効果は期待できません。むしろ、ユーザーに「見にくい」というストレスを与えてしまう可能性すらあります。

この記事では、縦型動画広告の基礎知識から、なぜ今「縦型」が選ばれるのか、そして成果を出すための具体的な制作ポイントまでを網羅的に解説します。読み終える頃には、あなたの会社の商品やサービスを、どのように動画で届けるべきか、明確な戦略が見えているはずです。

縦型動画広告(バーティカル動画)とは?市場規模と注目の背景

縦型動画広告とは、スマートフォンの画面比率(9:16)に合わせて制作された、スマホネイティブな動画広告のことです。別名「バーティカル動画」とも呼ばれ、今や企業のマーケティング戦略において欠かせない施策となっています。

なぜこれほど注目されているのでしょうか?その最大の理由は、ユーザーの「視聴態度の変化」と、それに伴う「市場の急拡大」にあります。

スマホユーザーの9割以上が「縦持ち」の衝撃

従来の横型(16:9)動画は、テレビやPCには適していましたが、スマホで見ると画面の上下に黒帯が入り、表示面積が小さくなってしまいます。これでは、せっかくのクリエイティブもユーザーの心には届きません。

実際、現場で企業の支援をしていても、「横型広告をそのまま配信した場合」と「縦型専用に作り直した場合」では、クリック率や視聴完了率に明確な差が出ます。その背景にあるのが、以下のデータです。

ScientiaMobile社の調査(MOVR Mobile Overview Report)によると、スマホユーザーの約9割以上が、端末を縦にしたまま操作していることが明らかになっています。わざわざ広告を見るために画面を回転させるユーザーは、今や少数派なのです。

さらに、TikTokInstagramリールYouTubeショートといったプラットフォームの台頭により、ユーザーは「縦型動画をスワイプして次々に見る」という行動が習慣化しました。この「日常のスクロール」の中に自然に溶け込めるかどうかが、広告効果を左右する分かれ道となります。

つまり、ユーザーの自然な行動(縦持ち)に逆らわずに情報を届ける「縦型動画広告」は、もはや一過性のトレンドではなく、現代のマーケティングにおける「必須マナー」と言えるのです。

💡 筆者のひとこと
朝の通勤電車を見渡してみてください。ほぼ全員がスマホを「縦」に持っていますよね?あの光景こそが、縦型動画が勝てる最大の根拠なんです。ユーザーの行動に逆らわず、自然に目に入る形で作る。これこそがマーケティングの鉄則ですね。

縦型動画広告の3つのメリット!完全視聴率やCVRへの効果

では、あえて「縦型」で広告を作ることに、どのようなビジネスメリットがあるのでしょうか。結論から言えば、「ユーザーに無視されない環境」を物理的に作り出せることにつきます。

まずは、従来の横型動画との決定的な違いを比較表で確認してみましょう。

【図解1:横型動画広告 vs 縦型動画広告 比較】

項目横型動画広告 (16:9)縦型動画広告 (9:16)
画面占有率約30% (上下に黒帯が発生)100% (フルスクリーン)
没入感他の情報(通知など)が目に入る没入感が高い(他情報が入らない)
視聴態度「見せられている」受動的な印象コンテンツの一部として能動的に視聴
クリック率ボタンが小さく押しにくい場合がある親指の可動域にボタンがあり押しやすい

1. 圧倒的な没入感と完全視聴率の高さ

最大のメリットは、画面全体をジャックすることによる「情報の到達率」の違いです。

横型動画をスマホの縦画面で表示すると、画面の上下に黒い余白ができ、動画自体は画面の約30%程度のサイズにしかなりません。これでは、LINEの通知や時刻表示などが目に入り、ユーザーの気が散ってしまいます。
一方、縦型動画はスマホの画面全体(100%)を占有するため、物理的に「動画以外の情報」を遮断できます。

実際、Snap Inc.の調査によると、縦型動画の完全視聴率(最後まで見られる確率)は、横型と比較して最大9倍高いという衝撃的なデータも報告されています。私の支援現場でも、同じ素材を「横型」から「縦型」にリサイズして再配信しただけで、平均視聴時間が1.5倍に伸びた事例がありました。

つまり、縦型にすることは、単なるサイズ変更ではなく「ユーザーの集中力を強制的に確保する」ための最強の手段なのです。

2. 決裁権を持つ30代〜50代へのリーチ拡大

「縦型動画=若者が踊っている動画」というイメージをお持ちではありませんか?
実は今、縦型動画広告はBtoBの決裁者層や、購買力のある30代〜50代へのアプローチにこそ効果を発揮しています。

理由はシンプルで、多忙なビジネスパーソンほど「隙間時間」にスマホを見ているからです。
通勤電車や移動中、ランチタイムなどの短い時間に、FacebookやInstagramのリール、LINE VOOMをサクサクとチェックする行動が定着しています。

例えば、あるBtoB向けSaaS企業では、タクシー広告の動画素材を縦型に編集し直し、Facebookのリール広告で配信したところ、リード獲得単価(CPA)がディスプレイ広告の半分以下に下がりました。「仕事モードの合間」に自然に入り込める縦型動画は、ビジネス層の心を掴む新たな勝ち筋となっています。

3. クリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)の向上

3つ目のメリットは、「アクション(問い合わせや購入)の起こしやすさ」です。

スマホを片手で操作するとき、親指が届きやすい位置(サムゾーン)に「詳細はこちら」「申し込む」といったCTAボタンが配置されるよう、各媒体のUIは設計されています。
没入感で興味を高め、物理的に押しやすい位置にボタンがある。この「心理的・物理的なハードルの低さ」が、高いコンバージョン率(CVR)を生み出します。

実際に、あるEC通販の事例では、横型動画を配信していた時期に比べて、縦型動画広告に切り替えた後のクリック率(CTR)が約1.8倍に向上しました。ユーザーにとって「なんとなくタップしやすい」という感覚は、Webマーケティングにおいて非常に強力な武器になります。

💡 筆者のひとこと
この「没入感」は本当に強力です。他の情報が一切遮断されるので、まるでその世界に閉じ込められたような感覚になるんですよね。
だからこそ、最初の数秒で「不快だ」と思われない工夫も必要ですが、ハマればCV(コンバージョン)率が劇的に上がる。ハイリスク・ハイリターンではなく、もはや「やらないリスク」の方が大きい施策だと言えます。

縦型動画広告の配信媒体と特徴(TikTok・Instagram・YouTube)

縦型動画広告とは何かを理解したら、次は「どこに出すか」が重要です。現在、縦型動画の主要プラットフォームはTikTok、Instagram、YouTubeの3強ですが、それぞれ「ユーザーの視聴モード」が全く異なります。

ここを間違えると、どんなに良いクリエイティブも成果につながりません。各媒体の特徴を整理しましたので、比較検討にお役立てください。

【図解2:主要3大プラットフォーム比較表】

プラットフォームTikTok広告Instagramリール広告YouTubeショート広告
メインユーザー層10代〜40代(平均年齢上昇中)20代〜40代(女性比率やや高め)全年齢層(YouTube利用者)
強み爆発的な拡散力(レコメンド)世界観・ブランド構築信頼性・検索連動
向いている商材アプリ、美容、食品、ガジェットアパレル、コスメ、D2C、インテリアB2B、教育、金融、不動産、高単価
ユーザー心理「面白い暇つぶしを探している」「憧れ・トレンドを知りたい」「何かを知りたい・学びたい」

1. TikTok広告:爆発的な拡散と「予期せぬ出会い」

「TikTok=若者のダンス動画」という認識は、今すぐ捨ててください。実は、潜在層へのアプローチにおいて最強の媒体です。

TikTokのアルゴリズムは「フォロワー数」ではなく「動画の面白さ・滞在時間」で評価されるため、無名ブランドでも爆発的に拡散(バズる)されるチャンスがあります。ユーザーは「検索」ではなく「レコメンド」で動画を見るため、「自分でも欲しかったとは気づいていなかった商品」との出会いを生みやすいのです。

実際に、ある便利グッズを販売する中小企業が、使用シーンをTikTokで配信したところ、広告費をかけずに数百万再生され、在庫が即完売した事例があります。ユーザーの平均年齢も年々上昇しており、30代以上の購買層もしっかり存在します。「まだ知られていない商品」を広めたいなら、TikTokが第一選択肢です。

2. Instagramリール広告:世界観の共有と「指名買い」

ブランドのファンを作り、購買に直結させたいならInstagram(リール広告)です。

Instagramのユーザーは「憧れ」や「トレンド」を探しに来ているため、ビジュアル重視の訴求が非常に刺さりやすい傾向にあります。また、Meta社(Facebook)の保有する膨大な実名データを活用した、精度の高いターゲティングも強みです。

特にアパレルやコスメ、インテリアなどのD2C商材では、リール広告からショップ機能へスムーズに誘導することで、CVR(コンバージョン率)が他の媒体より1.5倍高い傾向にあります。「世界観」を大切にする商材なら、Instagram一択と言えるでしょう。

3. YouTubeショート広告:圧倒的なリーチと「信頼性」

BtoB商材や高単価商材(不動産、金融など)なら、YouTubeショートが最も堅実な選択です。

最大の理由は、全年齢層をカバーしているだけでなく、Googleの検索データと連携したターゲティング(インテントターゲティング)が可能だからです。「最近、動画編集ソフトについて検索した人」といった、購買意欲の高い層にピンポイントで配信できます。

私のクライアントであるBtoBコンサルティング企業では、YouTubeショート経由のリードが最も「成約率」が高いという結果が出ています。ユーザーが検索行動の延長で動画を見ているため、情報の信頼度が高く、検討期間の長い商材でもじっくりアプローチできるのが魅力です。

💡 筆者のひとこと
媒体選びで迷ったら、「自社のターゲットが普段どのアプリを開いているか」という単純な問いに戻りましょう。
BtoBなら通勤中のYouTubeやFacebook、コスメなら夜寝る前のInstagram、暇つぶしのTikTok。生活動線を想像することが、成功への近道です。最初は1つの媒体に絞って勝ちパターンを見つけるのがおすすめですよ。

【事例】縦型動画広告の成功パターン!BtoCからBtoBまで

「縦型動画広告が流行っているのは分かるけど、うちのような堅い業界でも効果が出るの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。結論から言えば、商材のジャンルを問わず、勝ちパターンは存在します。ただし、業界ごとに「刺さる訴求」は全く異なります。ここでは、私が実際に目の当たりにしてきた、数字に基づく改善事例を3つご紹介します。

1. 【B2C事例】「広告臭」を消してCPAを40%改善したコスメ通販

B2C、特にEC通販においては、「いかに広告っぽさを消すか(UGC風クリエイティブ)」が勝負の分かれ目になります。

あるスキンケアブランドでは、当初テレビCMのような「綺麗なモデル・高画質な映像・洗練されたBGM」で広告を配信していましたが、クリック率は伸び悩んでいました。
そこで、スマホで撮影した「一般ユーザーが洗面台で商品を使い、使用感に驚く」という、素人感のある動画に変更しました。

その結果、ユーザーのタイムラインに自然に溶け込み、視聴者の警戒心を解くことに成功。獲得単価(CPA)は従来の40%ダウン、クリック率(CTR)は2倍以上という劇的な成果を上げました。作り込まないことが、逆に信頼を生む良い例です。

2. 【B2B事例】「あるあるドラマ」でリード獲得数が2.5倍に(SaaS)

「B2B商材は真面目に機能説明をすべき」と思っていませんか? 実は、「共感」を呼ぶショートドラマ形式が、今B2Bで最もホットな手法です。

経費精算システムを提供するある企業は、「月末の領収書貼りに追われて残業する」という担当者の悲哀を描いた15秒ドラマを制作し、解決策としてツールを提示する構成にしました。
単なる機能紹介のバナー広告と比較して、「これ私のことだ!」という自分事化を促すことに成功。

結果として、ホワイトペーパーのダウンロード数は2.5倍、リード獲得単価は半減しました。決裁者も人間です。機能の前に「悩みに寄り添う姿勢」を見せることが、B2Bにおける縦型動画の正解ルートです。

3. 【採用事例】「社長の裏側」を見せてエントリー単価を半減

採用活動においては、企業の「リアルな透明性」が何よりも重視されます。

ある歴史ある製造業の企業は、「堅そう・厳しそう」というイメージが先行し、若手のエントリーが集まらないことが課題でした。
そこでTikTokを活用し、強面の社長が社員食堂でランチを楽しんだり、若手社員と冗談を言い合う「オフショット動画」を配信しました。

「意外とフランクで働きやすそう」というポジティブなギャップが生まれ、採用サイトへの遷移率が急増。1エントリーあたりの獲得コスト(CPA)を半分以下に抑えることに成功しました。飾らない姿を見せることが、求職者の安心感に直結した事例です。

💡 筆者のひとこと
成功している動画広告に共通するのは、良い意味での「素人っぽさ」や「売り込み臭のなさ」です。
企業側はどうしても「カッコいい動画」を作りたがりますが、ユーザーが見たいのは「リアルな情報」です。「企業のCM」ではなく、「友達のおすすめ動画」のような距離感を作れるかが、勝負の分かれ目になります。

縦型動画広告のデメリットと制作時の注意点

メリットばかりではありません。プロとして、導入前に知っておくべき「運用の難しさ」についても正直にお伝えします。縦型動画広告には、特有の落とし穴が3つ存在します。

1. 「クリエイティブ摩耗」のスピードが異常に早い

最大のデメリットは、動画の寿命(賞味期限)が極端に短いことです。

縦型動画はユーザーの消費スピードが速いため、同じ動画を出し続けるとすぐに飽きられます。アルゴリズム側も「反応が落ちた」と判断すると表示回数を減らすため、獲得コスト(CPA)が一気に高騰します。

現場の感覚値で言うと、1つの動画の寿命は長くて「2週間」です。運用で成果を維持し続けるためには、最低でも月に4本〜6本の新作(または別パターン)を投入し続ける体制が必要です。この「制作サイクルの速さ」に耐えられず、自社運用を断念する企業が後を絶ちません。

2. 「0.5秒」でスキップされるシビアな視聴環境

縦型動画広告では、テレビCMのような「起承転結」の構成は通用しません

ユーザーはスワイプすることに慣れており、面白くないと判断した瞬間に0.5秒で離脱します。そのため、これまでの映像制作のセオリーを捨て、「結(オチ)」から見せたり、冒頭0秒で「えっ?」と思わせる違和感を作ったりする、特殊なノウハウが求められます。

実際に、「綺麗な会社紹介動画」をそのままTikTok広告に流した事例では、平均視聴時間がわずか1.2秒でした。一方で、冒頭に「採用担当が踊ってみた」というフックを入れた動画は、平均8秒まで視聴時間が伸びました。この「見てもらうための作法」の違いを理解していないと、広告費は一瞬で溶けてしまいます。

3. 媒体ごとに異なる「セーフエリア」の複雑さ

制作実務で最もミスが起きやすいのが、UI(ユーザーインターフェース)の被り問題です。

TikTokやInstagramリールでは、画面の右側に「いいね」「コメント」アイコンが、下部には「説明文」「楽曲名」が表示されます。このエリア(セーフエリア外)に重要なテロップや商品画像を配置してしまうと、アイコンと重なって全く見えなくなってしまいます。

厄介なことに、このセーフエリアは媒体ごとに微妙に異なり、さらにアプリのアップデートで頻繁に変更されます。「せっかく作ったのに、一番伝えたい価格の部分が『いいねボタン』で隠れていた…」という初歩的なミスを防ぐには、常に最新の仕様を把握しているプロの知見が不可欠です。

💡 筆者のひとこと
正直、この「クリエイティブの消耗戦」は現場でも一番の悩みどころです(笑)。
だからこそ、1本の完璧な100点動画を時間をかけて作るより、60点〜80点の動画を10本スピーディーに出せる「制作体制(オペレーション)」を持っているかどうかが、外注先選びの重要なポイントになります。

効果的な縦型動画広告の作り方・制作のコツ

では、実際にどのような動画を作れば成果が出るのでしょうか?
結論から申し上げますと、「テレビCMのノウハウを捨てること」が最初の一歩です。

縦型動画広告には、独自の「売れる文法」が存在します。ここでは、プロが現場で徹底している3つの黄金ルールを、具体的なテクニックと共に解説します。

【図解3:成果を出す縦型動画の構成ステップ】

ステップ秒数内容・役割ポイント
STEP 10〜2秒アテンション(フック)問いかけ、意外性、悩みへの共感で指を止めさせる
STEP 23〜10秒メインコンテンツテンポよく情報を提示。音楽に合わせる。結論を早めに見せる。
STEP 3ラストCTA(アクション誘導)「詳細はこちら」「今すぐチェック」など、次に何をしてほしいかを明確にする。

1. 冒頭2秒で「自分事」と思わせる(フックの法則)

縦型動画において、勝負は最初の2秒で決まります

なぜなら、ユーザーは無意識のうちに「この動画は自分に関係あるか?」を瞬時に判断し、スワイプしているからです。企業ロゴや挨拶から入る動画は、その瞬間に「広告だ」と判断され、離脱されます。

効果的なのは、ターゲットの「脳内にある悩み」を言語化することです。

  • ×「弊社の勤怠管理システムのご紹介」
  • 〇「まだExcelで勤怠管理してるの?それ、法律違反かもしれません」

実際に、私が担当した案件で冒頭のコピーを上記のように「問いかけ」に変更しただけで、2秒時点での視聴維持率が15%から45%に急上昇しました。「えっ、私のこと?」と思わせるフック作りこそが、制作の最重要ポイントです。

2. 「1.5倍速」を意識したハイテンポな編集

次に重要なのが、「間(ま)」を徹底的に削ることです。

普段テレビを見ている感覚で編集すると、スマホユーザーにとっては「遅い」と感じられ、離脱の原因になります。セリフとセリフの間の無音部分をカットし、視覚情報を1.5秒〜2秒ごとに切り替えることで、脳を飽きさせない工夫が必要です。

現場の目安としては、「40代〜50代の担当者が見て『少し速すぎるかな?』と感じるスピード」が、スマホネイティブ世代にはちょうど良いテンポです。音楽のリズム(ビート)に合わせて画面を切り替えるだけでも、最後まで見てもらえる確率はグッと高まります。

3. スマホネイティブな「UGC風」演出

あえて「スマホで撮影したような画質」で作ることも、極めて有効なテクニックです。

これを「UGC(User Generated Content)風」と呼びますが、一眼レフカメラで撮った綺麗な映像よりも、スマホの手ブレ感がある映像の方が、広告色が薄まり、ユーザーの警戒心を解くことができます。

ある健康食品の広告で、「スタジオで撮影したプロ仕様の動画」と「社員が自宅のスマホで撮った自撮り動画」をABテストしたところ、後者の方がCVR(購入率)が1.8倍高いという結果が出ました。「綺麗さ」よりも「リアルな使用感」が信頼を生む。これが縦型動画広告の真実です。

💡 筆者のひとこと
冒頭2秒の「つかみ」だけは、何度やり直してもいいくらい重要です。
私たちはよく、動画の中身は変えずに「冒頭の2秒だけを変えたパターン」を5種類ほど用意してテスト配信します。これだけで、成果(CPA)が半分以下になることも珍しくありません。「中身より表紙」の意識でリソースを配分してみてください。

縦型動画広告の制作費用相場と外注・自社制作の判断基準

「結局、いくらかかるの?」「自分たちで作ったほうが安いのでは?」
これは、私が商談で必ず聞かれる質問です。

結論から申し上げますと、「社内に『構成作家』と『広告運用者』がいないなら、外注一択」です。一見、自社制作の方が安上がりに見えますが、成果が出なければその時間は全て「コスト」になります。

ここでは、費用相場とそれぞれのメリット・デメリットを整理しました。自社の状況に合わせて最適な選択肢を選んでください。

1. 制作方法別の費用感と特徴(松竹梅の比較)

制作手段は大きく分けて「自社制作」「フリーランス」「制作会社」の3つがあります。それぞれの相場と特徴は以下の通りです。

【図解4:制作方法別 費用と特徴の比較】

依頼先費用相場(1本あたり)メリットデメリット・注意点
自社制作0円〜 (人件費のみ)コスト安、ノウハウが蓄積されるクオリティ担保が難しい、リソース不足、効果が出にくい
フリーランス3万円〜10万円比較的安価、柔軟な対応品質のバラつきが大きい、マーケティング視点が不足しがち
制作会社10万円〜50万円企画・構成から丸投げ可能、高いクオリティ、運用視点コストがかかる、会社選びに失敗すると高額なだけに

制作会社に依頼する場合、1本あたり10万円〜が相場ですが、これは単に「動画を作る作業代」ではありません。
「売れる構成の企画費」「モデルやスタジオの手配」「著作権クリアなBGM選定」「薬機法などのリーガルチェック」など、成果を出すための安心料が含まれているとお考えください。

2. 「自社制作」で9割が失敗する本当の理由

「スマホアプリで簡単に作れる時代だから、まずは社内で」と始めた企業の多くが、3ヶ月以内に更新を停止します。その理由は「見えないコスト」の増大です。

例えば、担当者が慣れない編集作業に3時間かけて動画を1本作ったとします。その担当者の時給が2,500円だとしたら、制作費は7,500円。しかし、その動画が全く再生されなかった場合、その7,500円と3時間は「完全な無駄」になります。

実際に私が相談を受けた企業様でも、「社員が頑張って作ったが、半年間で問い合わせゼロ」というケースがありました。その期間の機会損失(本来得られたはずの利益)を考えると、最初からプロに頼んで月20件のリードを獲得していた方が、トータルの投資対効果(ROI)はずっと高かったはずです。

3. 失敗しない外注先の選び方「3つの質問」

では、どの制作会社を選べばいいのでしょうか?
「映像が綺麗」「実績が多い」だけでは不十分です。商談時に以下の3つを質問してみてください。

  • 質問1:「なぜこの構成にしたのか、ロジックを説明できますか?」
    →「なんとなくカッコいいから」ではなく、「冒頭2秒で○○という層の離脱を防ぐため」といったマーケティング視点があるかを確認します。
  • 質問2:「広告運用の知見はありますか?」
    →制作と運用はセットです。「作って納品して終わり」ではなく、配信後の数値を見て改善案(ABテスト)を出せる会社を選びましょう。
  • 質問3:「縦型動画の最新トレンドを把握していますか?」
    →TikTokやReelsのトレンドは週単位で変わります。常に最新の流行をキャッチアップしているかどうかが、成果に直結します。
💡 筆者のひとこと
「餅は餅屋」と言いますが、動画広告に関しては「餅屋選び(パートナー選び)」が一番難しいんですよね。
個人的には、制作実績の「見た目」だけでなく、担当者が「ビジネス課題(売上や採用数)」を理解して会話してくれるかどうかを重視することをお勧めします。良いパートナーは、動画の話をする前に、御社のビジネスの話をたくさん聞いてくれるはずです。

縦型動画広告に関するよくある質問

これから導入を検討されている方からよくいただく質問をまとめました。

Q1. 予算はいくらくらいから始められますか?

媒体にもよりますが、広告出稿自体は日予算数千円から可能です。ただし、効果検証(ABテスト)を行いながら成果を出すためには、制作費とは別に月額30万円〜の広告配信予算を用意することをおすすめします。

Q2. 既存の横型動画の左右をカットして、縦型として使えますか?

技術的には可能ですが、おすすめしません。画質が荒くなったり、重要なテロップが見切れてしまったりと、クオリティが著しく低下するためです。また、横型特有の「説明的な構成」は縦型メディアの視聴態度と合わないことが多いため、構成から作り直すのが近道です。

Q3. 動画の長さは何秒がベストですか?

媒体によりますが、広告として配信するなら15秒〜30秒が推奨されます。長すぎると離脱の原因になりますし、短すぎると魅力を伝えきれません。TikTokなどでは長尺も流行っていますが、まずはコンパクトな尺から始めるのが鉄則です。

Q4. 社員やタレントの「顔出し」は必須ですか?

必須ではありませんが、人が登場したほうが親近感が湧き、反応が良い傾向にあります。顔出しが難しい場合は、商品を使う「手元のアップ」や、アニメーション、ナレーションを活用することでカバーできます。

Q5. B2B(法人向け)商材でも本当に効果はありますか?

はい、大いにあります。決裁者も一人のユーザーとしてスマホを見ています。特に「業務効率化」や「コスト削減」といった課題解決型のショート動画は、FacebookやYouTubeショートで高い成果を上げています。

まとめ:縦型動画広告で成果を出すなら戦略的な制作を

本記事で解説してきた通り、スマホユーザーの9割が縦持ちで操作する現在、縦型動画広告は「やったほうがいい」ものではなく「やらないと機会損失になる」施策です。

しかし、成功の鍵は単に「縦にする」ことではありません。

  • 横型の流用ではなく、スマホ特化の「没入感」を作る
  • 冒頭2秒で心を掴み、広告感を消して最後まで見せる
  • データに基づいた運用で、勝ちパターンを見つける

これらが噛み合って初めて、「完全視聴率 最大9倍」「CVRの大幅改善」という果実を得ることができます。
逆に言えば、ここを外すと「再生数は回ったけれど、売上には繋がらなかった」という残念な結果に終わってしまいます。

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私たちカプセルメディアは、単なる動画制作会社ではありません。
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この記事の監修者
内藤昌和(カプセルメディア代表)
内藤昌和(カプセルメディア代表)
カプセルメディア代表。年間100本以上のアニメーション動画制作・コンテンツ制作を行なっているアニメーション動画制作の専門家。主に企業向けのアニメーション動画広告やSNS動画も得意としており、上場企業から中小・スタートアップ企業まで、幅広い業界の動画提供している。