コラム

【2026年最新】不動産動画の活用シーン7選|成約率1.7倍を実現する導入効果と成功法則

目次

【2026年最新】不動産動画の活用シーン7選|成約率1.7倍を実現する導入効果と成功法則

不動産集客の壁を突破する「動画」の力

「ポータルサイトに綺麗な写真を載せているのに、問い合わせ後の内見になかなか繋がらない」
「せっかく内見案内しても、『イメージと違う』と言われて成約に至らない」

もしあなたが今、このような課題を感じているなら、それは「情報の伝え方」が今の顧客の感覚とズレているせいかもしれません。

スマホネイティブな世代がメインの顧客層となった2026年現在、テキストと写真だけの情報は、もはや「不十分」と判断されつつあります。彼らにとって、情報は「読む」ものではなく「見る」ものだからです。

今、成果を伸ばし続けている不動産会社は、例外なく「動画」を営業・マーケティングの主軸に据えています。

この記事では、単なるトレンド解説ではなく、現場の成約率を劇的に変える「不動産業界の実践的な動画活用シーン7選」と、失敗しない導入ステップを解説します。これを読めば、あなたの会社の集客は、明日から「待ち」の営業から「攻め」の営業へと変わるはずです。

💡この記事でわかること

  • 不動産業界で動画活用が「必須」となった市場背景と理由
  • 反響と成約率を劇的に高める「7つの具体的な活用シーン」
  • 来店予約1.7倍も!数字で証明される動画の「導入効果」
  • 「自社制作 vs 外注」の費用相場と失敗しない業者の選び方
  • 競合他社と差別化し「選ばれる不動産屋」になるための戦略

【比較】なぜ動画なのか? 媒体別の情報伝達力

まずは、動画がどれほど強力なツールか比較してみましょう。

比較項目テキスト・写真のみ動画コンテンツ
情報量限定的(想像に依存)圧倒的(Webページ3,600枚分) ※1
雰囲気伝わりにくい空気感・音まで伝わる
信頼性加工しやすく不信感も誤魔化しにくく信頼度大
記憶定着忘れやすい記憶に残りやすい
※1 出典:アメリカのForrester Research社のJames McQuivey博士の研究によると、「1分間の動画は180万語(Webページ3,600ページ分)に相当する」とされています。

なぜ不動産業界で動画活用が重要なのか?市場背景と理由

結論から申し上げますと、2026年の不動産市場において、動画活用はもはや「差別化のための飛び道具」ではなく、「顧客と接点を持つための最低条件(インフラ)」になりつつあります。
なぜこれほどまでに重要視されているのか。単なるブームではなく、成約率や業務効率に直結する構造的な理由を3つの視点で解説します。

1. 【顧客の変化】「読む」から「見る」へ。検討の土俵に乗るための必須条件

スマホで物件を探す顧客にとって、動画がない物件は「情報不足」と判断され、検討候補から外されるリスクが高まっています。

なぜなら、5Gの普及により動画視聴のストレスがなくなったこと、そして「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する若年層・ファミリー層が増えたためです。間取り図と大量のテキストを読み解くよりも、1分の動画を見るほうが圧倒的に楽で、入居後のイメージも湧きやすいからです。

実際、ある賃貸仲介の現場データでは、動画付きの物件詳細ページは、写真のみのページと比較して滞在時間が約2倍、問い合わせ率が1.5倍以上という結果が出ています。「動画がないなら見に行かない」という意思決定が、水面下で起きているのです。

つまり、動画活用は「集客を増やす」以前に、「機会損失を防ぐ」ために必須と言えます。

2. 【営業の効率化】「とりあえず内見」を減らし、成約率を高める

動画の導入効果として経営層に最も響くのが、「営業工数の削減」と「成約率(歩留まり)の向上」です。

事前にルームツアー動画で詳細を確認してもらうことで、「イメージと違った」というミスマッチによる無駄な内見を極限まで減らせるからです。

弊社が支援した地方の不動産会社様では、遠方からの転勤者向けに詳細なエリア紹介動画と物件動画を送付したところ、内見なしでの申し込み(先行申し込み)が急増。現地案内件数を3割減らしながら、売上を維持・向上させることに成功しました。

動画は、24時間365日文句も言わずに物件説明をしてくれる、優秀な営業マンの役割を果たします。

3. 【信頼の獲得】「広角レンズの嘘」を超え、情報の透明性で選ばれる

情報過多な現代において、動画による「情報の透明性」は最強のブランディングになります。

顧客は、過度に加工された写真(広角レンズで広く見せる等)や、良いことしか書かれていないテキストに疲れています。「実際はどうなのか?」を知りたがっています。

ある物件動画では、あえて「前の道路の交通量が多い」「日当たりはそこそこ」といったネガティブな要素も正直に伝えました。すると、「隠さずに教えてくれて信頼できる」と評価され、結果的にその会社への指名相談が増加しました。

誤魔化しの効かない動画だからこそ、誠実さが伝わります。「正直な不動産屋」というポジションを確立することは、広告費をかけずに集客し続けるための資産となります。

💡 筆者のひとこと

私のクライアントでも、「正直に日当たりの悪さを動画で伝えた」ことで、逆にお客様から「信頼できる」と評価され、成約に至った事例があります。ネガティブ情報もさらけ出せるのが動画の強みであり、今の時代に求められる誠実さです。

【活用シーン7選】不動産業界における動画の具体的な使い方と事例

「動画活用」と一口に言っても、その目的は「集客(認知)」なのか「成約(クロージング)」なのかによって、作るべきコンテンツは全く異なります。
ここでは、実際の現場で導入効果が高かった7つの活用シーンを厳選し、成果を出すためのポイントを解説します。

📺 まずは成功事例をチェック
論より証拠として、実際に「ターゲットを絞ったルームツアー」で反響を獲得した事例をご覧ください。テロップの入れ方や構成など、外注時の指示出しの参考にもなります。

  • ターゲット設定: 「忙しいママ」に絞り、家事動線を意識した構成
  • テロップ活用: 「ここは家事楽ポイント」など、無音声でも伝わる工夫
  • 導入効果: トレンド(平屋)と掛け合わせ、予想を超える再生と反響を獲得

【一覧表】活用シーン別・難易度と効果マトリクス

No活用シーン制作難易度主な効果おすすめ対象
1物件紹介・ルームツアー低〜中反響獲得・成約率UP全不動産会社
2周辺環境・エリア紹介信頼獲得・決定率UP遠方客・ファミリー層
3スタッフ・会社紹介来店ハードル低下地域密着店
4お客様の声(インタビュー)成約の最後の一押し注文住宅・リノベ
5ハウツー・お役立ち情報中〜高潜在層のファン化売買仲介・コンサル
6営業資料・重説動画業務効率化・工数削減賃貸管理・多店舗展開
7ショート動画(SNS)認知拡大・若年層集客賃貸仲介

1. 物件紹介・ルームツアー動画(内見動画)

最も基本にして、最も即効性があるのがルームツアー動画です。これは単なる「部屋の記録」ではなく、「疑似的な内見体験」を提供する最強の営業ツールとなります。

写真では「広さ」や「明るさ」は伝わっても、「部屋に入った瞬間の開放感」や「キッチンから洗面所への動線」といった空気感までは伝わりません。これらを補完できるのが動画の強みです。

🔰 プロが教えるスマホ撮影術
「自社で撮影なんて無理」と思っていませんか? 実は、スマホと「ジンバル(手ブレ補正機)」があれば、ここまでクオリティの高い映像が撮れます。

  • 機材: スマホ+ジンバル(1〜2万円程度)だけで十分ハイクオリティに
  • 歩き方: 「忍者歩き」で上下動を抑え、ゆっくりパン(回転)させる
  • 設定: 広角モードを活用し、空間を広く見せる

あるリノベーション物件の事例では、単に部屋を映すのではなく、玄関を開けるシーンから始まり、主婦目線でキッチン収納を開け閉めする動作までをPOV(一人称視点)で撮影しました。
その結果、ポータルサイトでの反響率が前年比120%にアップ。お客様からは「動画で収納の深さまで見れたので、ここに決めようと思っていた」という声をいただき、内見即決につながりました。

🏠 参考になる構成事例
こちらは「回遊動線」をテーマにしたルームツアーの好例です。1分程度でサクサク見られ、テロップで特徴がわかりやすく解説されています。

動画活用を考えるなら、まずはここから始めてください。広角レンズによる「誇張」ではなく、ジンバルを使った「滑らかな視聴体験」が信頼獲得の鍵です。

2. 周辺環境・エリア紹介動画

物件スペックで競合に勝てない場合でも、「街の魅力」をセットで売ることで選ばれる確率が格段に上がります。

特に転勤者や遠方からの検討者は、土地勘がありません。Googleマップではわからない「夜道の明るさ」や「公園の賑わい」「駅までの坂道の勾配」といったリアルな情報を求めているからです。

例えば、駅から物件までの道のりをハイパーラプス(早回し動画)で紹介しつつ、途中のスーパーやおすすめのカフェをテロップで解説する手法が有効です。
ドローン空撮を取り入れれば、「海が近い」「緑が多い」といったエリア全体の付加価値を一瞬で伝えられ、物件単体の家賃競争から脱却できます。

単なる「物件紹介」ではなく、「そこでの暮らし」をイメージさせることが導入効果を最大化させるポイントです。

3. スタッフ紹介・会社紹介動画

不動産取引における最大の壁である「強引な営業をされないか」という顧客の警戒心(心理的ハードル)を取り払うことができます。

高額な取引だからこそ、顧客は「物件」と同じくらい「担当者」を見ています。静止画のプロフィール写真だけでは伝わらない「話し方」や「雰囲気」を事前に見せることで、安心感を与えられるからです。

現場では、「お客様のために頑張ります!」といった抽象的な意気込みよりも、「実は私もこのエリアに住んでいて、美味しいラーメン屋を知り尽くしています」といった個人的なエピソード(自己開示)を語る動画のほうが反応が良い傾向にあります。
実際、YouTubeでスタッフの人柄を発信し続けた店舗では、「〇〇さんの動画を見て来ました」という指名来店が月間10件以上発生しています。

4. お客様の声(インタビュー)動画

迷っている見込み客の背中を押す、最強のクロージングツール(社会的証明)になります。

営業マンが「良い物件ですよ」と言うのと、実際に買った人が「買ってよかった」と言うのとでは、説得力の次元が違うからです。

テキストだけの「お客様の声」は捏造を疑われることもありますが、動画インタビューは嘘がつけません。購入に至った経緯や、当初抱えていた不安をどう解消したかを語ってもらうことで、同じ悩みを持つ検討客への「自分事化」を促します。
商談の最後にこの動画を見せるだけで、成約率が数%改善したというデータもあるほどです。

5. ハウツー・お役立ち情報動画(YouTube活用)

「住宅ローンの選び方」「失敗しない内見のコツ」などの知識を提供することで、「頼れる専門家」としてのポジションを確立できます。

今すぐ客だけでなく、将来的に検討している「そのうち客」を早期に囲い込めるからです。役に立つ情報を発信し続けることで、いざ検討時期が来たときに第一想起(最初に思い出してもらう会社)されるようになります。

再生数を稼ぐ必要はありません。ニッチな悩み(例:自営業者の住宅ローン審査など)に深く答える動画は、再生数が少なくても問い合わせの質が非常に高いのが特徴です。

6. 営業資料・重説動画の動画化

営業活動の標準化と工数削減を実現し、「働き方改革」に直結する活用法です。

「契約の流れ」や「設備の取り扱い説明」など、毎回同じ説明を繰り返す業務は動画に置き換え可能です。営業マンによる説明のバラつきを防ぎ、新人でもベテランと同じ品質で情報伝達ができます。

ある管理会社では、入居時のルール説明を動画化し、鍵渡しの前にスマホで見てもらうフローに変更しました。その結果、窓口での説明時間が1件あたり15分短縮され、繁忙期の残業時間を大幅に削減することに成功しました。

7. ショート動画(TikTok/Instagramリール)

物件の「認知」を広げるための入り口戦略として、特に若年層や賃貸層へのアプローチに不可欠です。

1分以内の縦型動画は、スキマ時間に受動的に見られるため、能動的に検索しない層にもリーチできるからです。

📱 ジンバルなしでもOK!ショート動画のコツ
機材がない場合でも、工夫次第でクオリティの高いショート動画は作れます。身体を使った手ブレ補正テクニックは必見です。

  • 構え方: 脇を締めてスマホを固定する
  • 動き方: 足だけでなく、腰を使って滑らかに回る
  • アングル: グリッド線を表示して水平を保つ

ここでは詳細な説明は不要です。「すごい眺望」「変わった間取り」「おしゃれな内装」など、視覚的なインパクト(映え)を重視し、「もっと詳しく見たい」と思わせてプロフィールやYouTubeへ誘導する導線設計が重要です。

💡 筆者のひとこと

最初は「1. 物件紹介」だけで十分です。慣れてきたら、ぜひ「3. スタッフ紹介」に挑戦してください。顔を出すのは恥ずかしいかもしれませんが、動画に出ているスタッフへの指名来店が増えるのは、現場で本当によくある話です。

集客・成約率アップ!不動産業界における動画の導入効果

「動画をやると何が変わるのか?」
上司や経営層へのプレゼンで最も問われるこの質問に対し、感情論ではなく「数字」と「ロジック」で答えられるよう、具体的な導入効果を整理しました。

1. 集客・反響率の向上(CTR・CVR改善)

動画を活用することで、ポータルサイトや自社HPからの「問い合わせ率(CVR)」と「内見予約率」が劇的に向上します。

静止画だけでは不安だった「部屋の雰囲気」や「日当たり」がクリアになることで、顧客の心理的ハードルが下がり、「ここなら見に行っても損はない」という確信に変わるからです。

ある都内の賃貸仲介店舗では、SUUMOやHOMESなどのポータルサイトの備考欄に「ルームツアー動画のURL」を記載したところ、記載していない物件と比較して詳細ページの閲覧数が1.5倍、問い合わせに至る確率は1.7倍を記録しました。「動画がある」というアイコンが表示されるだけで、クリック率(CTR)が跳ね上がる現象も確認されています。

集客を増やすために広告費を上げる前に、まずは「動画を載せる」。これだけでCPA(顧客獲得単価)は確実に下がります。

2. 営業工数の削減と成約率(歩留まり)アップ

「とりあえず内見」という確度の低い案内を減らし、「決まる内見」だけに集中する高効率な営業体制が実現します。

動画で「冷蔵庫置き場のサイズ」や「眺望」などの詳細を事前に確認してもらうことで、現地に行ってから「イメージと違った」と破談になるミスマッチを未然に防げるからです。

弊社が支援した売買仲介会社様では、商談前に必ず「物件紹介動画」と「重要事項の解説動画」を送付するフローを徹底しました。
その結果、月間の案内件数は20%減少しましたが、逆に成約数は10%増加。つまり、「無駄足」が減り、成約率(歩留まり)が約1.4倍に改善したのです。営業マンの疲弊も減り、離職率低下にも繋がっています。

3. SEO対策・Web検索順位への好影響

Google検索において上位表示を狙いやすくなり、ポータルサイトに依存しない自社集客チャネルを構築できます。

Googleは「ユーザーの滞在時間が長いページ」を有益と判断します。テキストだけのページより、動画があるページの方が滞在時間は圧倒的に長くなるため、SEO評価が高まりやすいのです。

特に「地域名 + マンション名」などの検索キーワードにおいて、YouTube動画はWeb記事よりも上位に表示されるケース(動画カルーセル枠)が増えています。
不動産業界はまだSEOに強い動画コンテンツが少ないため、今のうちにYouTubeに動画を蓄積しておくことは、将来的に「広告費ゼロで集客し続ける資産」になります。

4. 他社との差別化・ブランディング

「どこの不動産屋も同じ」と思っている顧客に対し、「この会社は隠さず見せてくれる」という圧倒的な信頼を勝ち取れます。

不動産業界にはまだ「不透明・怖い」というイメージが根強くあります。だからこそ、動画でスタッフの顔が見えたり、物件のネガティブな部分(狭さや騒音など)も正直に伝えたりする姿勢が、最強の差別化になるのです。

競合がひしめくエリアで、あえて「築古物件のリアルなリノベ動画」を発信し続けた会社があります。綺麗な部分だけでなく、工事中の様子やトラブル対応まで見せることでファンが急増。「あなたから買いたい」という指名客だけで売上が立つようになりました。

💡 筆者のひとこと

経営層への説得材料としては、「集客増」よりも「工数削減(働き方改革)」の方が響く場合があります。「無駄な内見が減り、残業代も削減できる」という切り口は非常に有効ですよ。

導入前に知っておくべき不動産動画活用のデメリットと対策

メリットの多い動画活用ですが、無計画に始めると「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
現場でよく起こる3つの失敗パターン(デメリット)と、それを回避するための現実的な対策を、プロの視点で解説します。

1. 【リソース】「編集地獄」で営業時間が奪われるリスク

内製化の最大の落とし穴は、「動画編集」にかかる膨大な工数です。ここを見誤ると、本来やるべき営業活動がストップしてしまいます。

撮影は1時間で終わっても、テロップ入れやBGM調整などの編集作業には、慣れていない人だとその5〜10倍の時間がかかるからです。

「若手社員ならできるだろう」と営業担当に編集を任せた結果、1本の動画(5分)を作るのに丸2日かかってしまい、その間の追客メールや電話対応が疎かになって売上が落ちた、という本末転倒な事例は後を絶ちません。

対策としては、「撮影は自社、編集は外注」という切り分けが最も効率的です。もし完全に内製するなら、編集に凝りすぎず「無編集のワンカット動画」から始めるなど、営業時間を圧迫しない運用ルールを決めておくことが必須です。

2. 【クオリティ】素人撮影が「ネガティブキャンペーン」になる危険性

質の低い動画は、物件の魅力を伝えるどころか、「この物件、なんか良くなさそう」というマイナスイメージを植え付けてしまいます。

手ブレがひどい映像は「画面酔い」を引き起こし、照明不足で薄暗い映像は「廃墟」のような印象を与えるからです。写真よりも情報量が多い分、粗も目立ちやすいのが動画の怖さです。

特に注意すべきは「高級物件」や「リノベ物件」です。本来の価値が高い物件をスマホの手持ち撮影で紹介してしまうと、ブランド価値が毀損され、安っぽく見えてしまいます

最低限、ジンバル(手ブレ補正機材)と照明、マイクには投資してください。また、「家賃〇〇万円以上の物件はプロに依頼する」といった線引きを行い、物件のグレードに合わせたクオリティ管理を徹底しましょう。

3. 【継続性】「三日坊主」でチャンネルが化石化する

最も多い失敗が、「更新が止まって放置されること」です。これでは導入効果を得られないだけでなく、企業の信頼性も損ないます。

最初は熱量高くスタートしても、通常業務の忙しさに追われ、徐々に動画作成の優先順位が下がっていくからです。

自社でYouTubeチャンネルを立ち上げた不動産会社の約7割が、半年以内に更新を停止しているという肌感覚があります。「最終更新日が3年前」のチャンネルは、「この会社、もう稼働していないのでは?」という不信感を招きかねません。

こうした事態を防ぐには、担当者の「やる気」に依存しない仕組みを作ることです。「月2本は必ず外注する予算を組む」あるいは「動画作成を業務フローに組み込み、人事評価の対象にする」など、強制力を持たせた運用体制が不可欠です。

💡 筆者のひとこと

意外な盲点ですが、「音」には要注意です。映像が多少荒くても見てもらえますが、風切り音やノイズがひどい動画は生理的に不快で、すぐに閉じられます(離脱)。スマホ撮影でも、1,000円程度の外付けマイクを使うだけでクオリティと視聴維持率は激変しますよ。

自社制作か外注か?不動産動画の費用相場と失敗しない選び方

「コストを抑えるために自社で作るか、クオリティ重視でプロに頼むか」。この判断が動画活用の成否を分けます。
結論から言うと、「物件紹介は自社、ブランド動画は外注」というハイブリッド運用が、最も費用対効果(ROI)が高い勝ちパターンです。

【徹底比較】自社制作 vs 外注(見落としがちな「隠れコスト」)

自社制作は「タダ」ではありません。「営業マンの人件費」という見えない高コストが発生していることを認識する必要があります。

動画編集は想像以上に時間がかかります。初心者が5分の動画を作る場合、撮影に1時間、編集に最低でも4〜5時間はかかります。その間、営業活動がストップする「機会損失」を考慮すべきです。

項目自社制作(インハウス)プロへの外注
費用目安0円(※別途、人件費が発生)1本 10万円〜50万円
作業時間約5〜6時間 / 本
(撮影1h + 編集4h〜)
約30分 / 本
(打ち合わせ・確認のみ)
クオリティ担当者のセンスに依存
(手ブレ・音質リスクあり)
安定して高品質
(ブランド向上に寄与)
向いている用途日常の物件紹介、SNS会社紹介、採用、高級物件

「時給3,000円の社員が5時間編集したら、実質コストは15,000円」。これなら、数万円でプロに外注し、社員は営業に専念させた方が、会社全体の利益率は高くなります。「何を作るか」によって内製と外注を使い分ける判断が重要です。

「不動産が得意な」制作会社を選ぶ3つのポイント

制作会社選びで失敗しない条件は、「不動産業界の商慣習と法規制を理解しているか」の一点に尽きます。

一般的な映像制作会社は、「綺麗な映像」は作れても、「成約するためのロジック」や「やってはいけない広告表現」を知らないことが多いからです。

具体的には、以下の3点を確認してください。

  1. コンプライアンス理解(法規制):
    「不動産の表示に関する公正競争規約」や「おとり広告」のリスクを理解しているか。これを知らない業者に頼むと、知らぬ間に法違反を犯すリスクがあります。
  2. 「売れる構成」の提案力(マーケティング):
    ただ部屋を綺麗に映すだけでなく、「洗濯機置き場のサイズ」や「コンセントの位置」など、顧客が入居を決めるために必要なカットを理解しているか。
  3. 運用サポート(SEO・広告):
    作って終わりではありません。「YouTubeにアップする際のタグ設定はどうするか」「エリア広告をどう打つか」まで伴走してくれるパートナーを選びましょう。

💡 筆者のひとこと

制作会社との面談では、ぜひ「過去に御社が作った動画で、一番反響があったものはどれですか?」と聞いてみてください。そこで「映像美」ではなく「数字(集客効果)」の話ができる会社なら、信頼できるパートナーになるはずです。

不動産動画マーケティングを成功させる導入4ステップ

いきなり数百万円の予算をかけて大規模なプロジェクトを立ち上げる必要はありません。
不動産業界で動画活用に成功している企業は、例外なく「スモールスタート」から始めて、徐々に「仕組み化」しています。失敗しないための最短ルートを4つのステップで解説します。

STEP1: 目的とKPIの明確化
(「再生数」ではなく「反響」を追う)

STEP2: スマホで「テスト撮影」
(現場の負荷と課題を確認する)

STEP3: プロへの外注・ハイブリッド化
(勝てるパターンが見えたら投資)

STEP4: 運用ルールの標準化
(PDCAを回し、組織の武器にする)

STEP1. 目的とKPIの明確化(「再生数」を追わない)

まずは「誰に、何のために見せる動画なのか」を定義します。ここで重要なのは、「再生数」を目標にしないことです。

不動産の動画はエンタメではないからです。1万人に再生されても問い合わせが0件なら失敗ですが、再生数が50回でも、そのうち3件の内見予約が入れば大成功です。

「認知を広げたいならショート動画(再生数重視)」「成約させたいならルームツアー(CVR重視)」と、目的によって作るべき動画もKPIも全く異なります。まずは「今月の内見数を〇件増やす」といった実利的な目標を立てましょう。

STEP2. スマホで「テスト撮影」し、現場の負荷を確認する

高価な機材を買う前に、手持ちのスマホと数千円のジンバルだけで撮影・編集のテストを行ってください。

実際にやってみることで、「撮影は意外と簡単だが、編集に時間がかかりすぎる」「この画角だと部屋が狭く見える」といった現場レベルの課題(ボトルネック)が浮き彫りになるからです。

ある会社では、テスト段階で「編集作業が営業マンの残業の原因になる」ことが判明しました。そこで、「撮影は営業マン、編集は外注」という役割分担を早期に決定でき、スムーズな本導入につながりました。

STEP3. 「勝てるパターン」が見えたらプロに外注(ハイブリッド化)

テストで見えた課題を解消するために、部分的にプロの力を借ります。これが最もコストパフォーマンスの良いフェーズです。

自社制作の限界(クオリティや継続性)を感じたタイミングで外注することで、「どの部分を任せれば楽になるか」が明確だからです。

「会社紹介」や「主力物件のモデルルーム」など、ここぞという動画をプロクオリティに差し替えただけで、Webサイトからの離脱率が15%改善した事例があります。ブランドイメージを左右する動画は、迷わずプロに投資すべきです。

STEP4. 運用ルールの標準化(PDCA)

最後に、動画活用を「特別なプロジェクト」から「日常業務」へと落とし込みます。

「媒介契約が取れたら必ず動画を撮る」「家賃10万円以上の物件は外注する」といったルールを策定します。また、月に一度はGoogleアナリティクスなどで「動画経由の反響」を計測し、改善を繰り返します。

成功している企業は、動画を「撮って終わり」にしていません。「案内メールに動画URLを貼る」「店頭のタブレットで流す」など、作った動画を徹底的に使い倒す仕組みを持っています。

まずは無料相談で「企画」を聞いてみよう

いきなり発注する必要はありません。まずは実績のある会社に相談し、「うちの物件ならどんな動画が作れるか?」という提案を受けてみてください。そこで彼らの熱量とノウハウを見極めるのが、最も確実な選び方です。

💡 筆者のひとこと

「全部外注」か「全部自社」か、0か100かで考える必要はありません。編集のテンプレート作成だけプロに頼んで、撮影とカット編集は自社でやる、といった「ハイブリッド型」も賢い選択肢ですよ。

不動産の動画活用に関するよくある質問(FAQ)

最後に、動画活用を検討中の方からよくいただく質問にお答えします。

Q1. YouTubeとInstagram、どちらから始めるべきですか?
A. 目的によります。
ストック型(検索で見つけてもらう)の資産を作りたいならYouTube、認知拡大や若年層へのアプローチ(フロー型)ならInstagramがおすすめです。迷ったら、物件の魅力をじっくり伝えられるYouTubeから始め、その切り抜きをInstagramに投稿するのが効率的です。

Q2. 動画制作の知識が全くありませんが、大丈夫でしょうか?
A. 全く問題ありません。
最近のスマホアプリ(CapCutなど)は非常に優秀で、初心者でも直感的に編集できます。最初は凝ったエフェクトなどを使わず、「見やすい明るさ」「聞き取りやすい音」だけ意識すれば十分です。

Q3. 顔出しはどうしても必要ですか?
A. 必須ではありません。
物件紹介であれば、声だけの出演(ナレーション)でも十分魅力は伝わります。ただし、スタッフ紹介や信頼獲得が目的の場合は、顔を出した方が反響率は確実に上がります。

Q4. 効果が出るまでにどのくらいの期間が必要ですか?
A. 最低でも3ヶ月〜半年は見てください。
YouTubeの場合、最初の数本で爆発的に再生されることは稀です。まずは10本〜20本投稿し、データ(視聴維持率など)を見ながら改善を繰り返すことで、徐々に資産価値が生まれてきます。

Q5. 入居者様のプライバシーが心配です。
A. 撮影時の配慮が不可欠です。
入居中の物件を撮影する場合は、必ず許可を取り、個人情報が映り込まないようにしてください。また、外観撮影時に近隣住民が映らないよう配慮したり、車のナンバーにモザイクをかけたりする編集作業も重要です。

Q6. 動画一本あたりの適切な長さは?
A. 媒体と内容によります。
TikTokやInstagramリールなら30秒〜1分以内。YouTubeでのルームツアーなら5分〜10分程度が最後まで見てもらいやすい目安です。長すぎると離脱されるので、無駄な間はカットしましょう。

まとめ:動画活用で「選ばれる不動産会社」へ

本記事では、不動産業界における動画活用の重要性と具体的な7つのシーン、そして導入効果について解説してきました。

ここで改めて、重要なポイントを振り返ります。

  1. 「見せる」情報の優位性: スマホ世代の顧客にとって、動画のない物件は検討候補に入りにくくなっています。
  2. 営業効率の劇的改善: 動画による事前確認でミスマッチを防ぎ、内見からの成約率(歩留まり)を高めます。
  3. 信頼獲得のツール: 「スタッフの人柄」や「物件のデメリット」も正直に伝えることで、他社との差別化になります。

「動画をやらなきゃいけないのは分かった。でも、通常業務で手一杯だし、ノウハウもない…」

そう足踏みしてしまう気持ちも痛いほど分かります。しかし、迷っている間にも競合は動画でファンを増やしています。
まずは完璧を目指さず、できることから一歩を踏み出すことが大切です。そして、もし「最短距離で成果を出したい」「失敗のリスクを避けたい」と願うなら、プロの力を借りるのが最も賢い選択です。

カプセルメディアが御社の動画戦略を加速させます

カプセルメディアでは、単なる動画制作に留まらず、「伝えるべき価値」を深掘りする企画設計から、成果を見据えた運用サポートまで、一貫してご提供しています。

「綺麗な動画を作って終わり」ではありません。御社の営業課題をヒアリングし、「内見予約につながる構成」「信頼されるブランド設計」を徹底的に作り込みます。

  • 物件や自社の強みが伝わりにくい
  • 問い合わせや内見予約を増やしたい
  • 追客や案内業務などの営業活動を効率化したい

そんな課題をお持ちの企業さまに、ご予算や体制に合わせた最適なプランをご提案します。
「まだ具体的なイメージがない」という段階でも構いません。まずは現状の課題をお聞かせください。競合の中から「選ばれる理由」が伝わる動画を、一緒につくっていきましょう。

不動産動画の活用に少しでもご興味があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
内藤昌和(カプセルメディア代表)
内藤昌和(カプセルメディア代表)
カプセルメディア代表。年間100本以上のアニメーション動画制作・コンテンツ制作を行なっているアニメーション動画制作の専門家。主に企業向けのアニメーション動画広告やSNS動画も得意としており、上場企業から中小・スタートアップ企業まで、幅広い業界の動画提供している。

■ 参考・データ出典

  • ※1 Forrester Research “How Video Will Take Over The World” (James McQuivey)
  • 総務省「令和6年版 情報通信白書」動画視聴時間の推移
  • Google / Ipsos “The Role of Digital Video in People’s Lives”