「時間をかけて作った業務マニュアル、実は誰も読んでいない気がする……」
「お客様から何度も同じ操作方法の問い合わせが来て、他の業務が進まない」
現場でこんな悩みを抱えていませんか?
テキストや静止画だけの説明では、細かい動きやニュアンスが伝わりづらく、読み手にも「読む」という負担をかけてしまいます。
そこで今、多くの企業が導入を急いでいるのが「HowTo(ハウツー)動画」です。
百聞は一見にしかず。まずは、実際にHowTo動画がどれほど直感的に情報を伝えられるか、こちらの動画をご覧ください。
いかがでしたか?
テキストで説明すれば長くなる手順も、動画であればわずかな時間でスッと頭に入ってきます。これがHowTo動画の持つ力です。
本記事では、HowTo動画のメリット・デメリットから、未経験でも失敗しない具体的な作り方、成功のコツまでを網羅的に解説します。「動画制作は難しそう」と感じている方こそ、ぜひ最後までご覧ください。
HowTo動画(ハウツー動画)とは?活用シーンと種類
HowTo動画(インストラクション動画)とは、一言で言えば「何かをするための手順や方法」を視覚的に解説した動画のことです。
文字や写真だけのマニュアルでは伝わりにくい「手の動き」や「タイミング」といった細かいニュアンスも、動画であれば直感的に理解できるからです。
身近な例では、料理のレシピ動画や家具の組み立て手順、ビジネスシーンではSaaSツールの操作説明などがこれに当たります。
このように「見るだけでわかる」状態を作れるHowTo動画は、情報の伝達スピードと理解度を劇的に高める手段として、多岐にわたるシーンで活用されています。
主な活用シーンと、それぞれの目的を以下の表にまとめました。
| 活用シーン | 具体的な用途 | 主な目的・効果 |
|---|---|---|
| 顧客サポート (CS/カスタマーサクセス) | ・製品の初期設定方法 ・トラブルシューティング ・機能の操作解説 | ・問い合わせ件数の削減 ・顧客満足度(CS)の向上 ・解約率(チャーン)の防止 |
| 社内研修 (業務マニュアル) | ・勤怠システムの入力手順 ・営業ロールプレイング ・電話応対マナー | ・教育コストの削減 ・教育品質の均一化 ・属人化の解消 |
| マーケティング (販促・PR) | ・商品のデモンストレーション ・サービス活用事例 ・レシピやDIY動画 | ・購入後のイメージ想起 ・CVR(成約率)の向上 ・SNSでの認知拡大 |
HowTo動画(ハウツー動画)を導入するメリット・効果
なぜ今、テキストではなく動画が選ばれているのでしょうか。導入によって得られる代表的なメリットを5つ解説します。
1. 短時間で膨大な情報を伝えられる
動画の最大の特徴は、その情報量の多さです。アメリカの調査会社Forrester Researchのジェームズ・マキヴェイ博士(Dr. James McQuivey)の研究によると、「1分間の動画はWebページ3,600ページ分の情報量に匹敵する(180万語相当)」と言われています。
テキストと動画の特性を比較すると、その差は歴然です。
| 項目 | テキスト・静止画マニュアル | 動画マニュアル |
|---|---|---|
| 情報量 | 文字数に依存(読む負担大) | 圧倒的に多い(見るだけ) |
| 動きの表現 | 写真や図解で補足が必要 | 実際の動きをそのまま伝達可能 |
| 作成の手間 | 構成・執筆・スクショ撮影が必要 | 撮影・録画・編集が必要 |
| 更新の手間 | 比較的容易(文字修正のみ) | 再撮影や再編集が必要な場合も |
| 記憶定着率 | 低い傾向にある | 映像+音声で記憶に残りやすい |
2. ユーザーの理解度が向上し、問い合わせが減る
「言葉では説明しにくい動き」も、動画なら一目瞭然です。ユーザーが自己解決(セルフサーブ)できるようになるため、カスタマーサポートへの電話やメールでの問い合わせ件数を削減でき、サポートコストの大幅な圧縮につながります。
3. 教育の質を均一化できる(属人化の解消)
社内研修において、教える先輩社員によって説明内容や教え方が違う、という問題はよく起こります。HowTo動画をマニュアル化すれば、誰がいつ学んでも同じ質の教育を受けることができ、業務の標準化が進みます。
4. 資産として蓄積・再利用できる
一度動画を作ってしまえば、それは24時間365日稼働してくれる「資産」になります。毎回同じ説明を繰り返す労力から解放され、社員はよりクリエイティブな業務に時間を使えるようになります。
5. SEOやSNS拡散の効果が期待できる
Google検索では動画コンテンツが上位に表示されやすい傾向にあります。また、役に立つHowTo動画はSNSでシェアされやすく、潜在層への認知拡大のきっかけとしても有効です。
HowTo動画のデメリットと導入時の注意点
メリットの多いHowTo動画ですが、導入前に知っておくべき「デメリット」や「注意点」も存在します。結論から言えば、主な課題は「制作コスト(時間・金銭)」と「情報の更新頻度」の2点です。
なぜなら、テキストや静止画であれば誤字の修正や情報の差し替えは数分で完了しますが、動画の場合は「再撮影」「再編集」「書き出し」といった工程が発生し、修正の工数が何倍にも膨れ上がりやすいからです。
例えば、SaaSツールの操作画面がアップデートされた場合、動画の該当箇所を全て撮り直す必要が出てきます。また、最初からテレビ番組のようなハイクオリティを目指すと、外注費が嵩んだり、社内リソースを圧迫してプロジェクトが頓挫するケースも少なくありません。
こうした失敗を防ぐためには、最初から完璧を目指さず、「まずはスマホ撮影やキャプチャソフトでスモールスタートする」ことが重要です。また、仕様変更が多い箇所はあえて動画にせずテキストで補足するなど、「修正しやすい運用体制」を整えておくことが、長く活用し続けるための秘訣です。
【初心者向け】HowTo動画(ハウツー動画)の作り方・制作手順
ここからは、実際に動画を制作する手順を5つのステップで解説します。各工程にかかる時間の目安も参考にしてください。
| ステップ | 工程名 | 内容 | 所要時間目安(1分動画) |
|---|---|---|---|
| STEP1 | 企画・構成 | ターゲット設定、コンセプト決め | 30分〜1時間 |
| STEP2 | 台本・コンテ作成 | 話す内容と映す画面の設計 | 1時間〜2時間 |
| STEP3 | 撮影・素材収集 | スマホ撮影や画面録画 | 30分〜1時間 |
| STEP4 | 編集 | カット、テロップ入れ、BGM | 2時間〜3時間 |
| STEP5 | 確認・公開 | チェック、アップロード | 30分 |
STEP1:目的とターゲットの明確化(企画・構成)
まずは「誰の」「どんな悩みを」「どう解決するか」を定義します。
- ターゲット: 自社ツールの操作に不慣れな新規顧客
- ゴール: 初期設定を完了してもらうこと
STEP2:台本(スクリプト)と絵コンテの作成
動画の品質の8割はここで決まります。話す内容(ナレーション)を一字一句書き出し、どのタイミングでどの画面を見せるか(絵コンテ)を決めましょう。これがないと、撮影中に迷ったり、編集でつじつまが合わなくなったりします。
STEP3:撮影・画面録画
企画に沿って素材を用意します。
- 操作説明の場合: マウスの動きが速すぎると視聴者が酔ってしまうため、意識してゆっくりと動かすのがポイントです。
- 実写の場合: 自然光の入る明るい場所で撮影し、手ブレを防ぐために三脚を使用しましょう。
▼【実写動画のコツ】スマホでの撮影テクニック
機材にお金をかけなくても、スマホの「固定方法」や「明るさ調整」を工夫するだけで、見違えるほど綺麗な動画が撮れます。基本的な撮影のコツを以下の動画で確認しておきましょう。
STEP4:動画編集(カット・テロップ・BGM)
撮影した素材をつなぎ合わせます。
- カット編集: 「えー」「あー」といった不要な間や、待ち時間をカットし、テンポを良くします。
- テロップ: ポイントとなる部分にテキストを入れます。音を出せない環境(電車内やオフィス)で見ている人のためにも重要です。
▼【編集のコツ】初心者におすすめのアプリ「CapCut」
スマホで完結させたい場合、無料アプリ「CapCut」がおすすめです。カット、速度調整、テロップ入れなどの基本操作は以下の動画で予習するとスムーズです。
STEP5:書き出し・公開・分析
完成した動画を用途に合わせた形式(MP4など)で書き出し、YouTubeや社内ポータルにアップロードします。公開後は、視聴回数や視聴維持率(どこで離脱されたか)を分析し、次の動画作成に活かしましょう。
わかりやすいHowTo動画を作るためのポイント・コツ
- 「1動画1テーマ」で短くまとめる
- あれもこれも詰め込むと、結局何が言いたいのか分からなくなります。1つの動画につきテーマは1つに絞り、長くても3分以内(理想は1分〜1分半)に収めるのが理想です。
- 冒頭5秒で「解決できること」を伝える
- 視聴者は「この動画は自分に関係あるか?」を最初の数秒で判断します。「この動画を見れば〇〇の設定が完了します」と最初に結論を伝えましょう。
- スマホ視聴を意識した文字サイズ
- 今は多くの人がスマートフォンで動画を見ます。PC画面では丁度よくても、スマホでは小さすぎて読めないことがあります。テロップは「少し大きいかな?」と思うくらいのサイズが親切です。
▼動画の最適な長さ(尺)の目安
プラットフォームや用途によって、最適な動画の長さは異なります。
| 動画の種類 | 推奨時間 | 理由 |
|---|---|---|
| SNS用(集客) | 15秒〜60秒 | 飽きられやすく、短い方が最後まで見られるため |
| 操作マニュアル | 1分〜3分 | 手順を理解するには一定時間必要だが、長すぎると離脱するため |
| 研修・セミナー | 5分〜15分 | 深い学習が必要なため。15分を超える場合はチャプターで区切る |
▼【撮影のコツ】スマホは「横」で撮るべき?
用途によりますが、PC画面で見せることが多い業務マニュアルやYouTube横型動画の場合、スマホも「横」にして撮影するのが鉄則です。その理由と使い分けはこちらの動画が参考になります。
HowTo動画作成におすすめのツール・ソフト
これから動画制作を始める方は、「機能の多さ」よりも「直感的に使えるかどうか」を基準にツールを選ぶことをおすすめします。
なぜなら、プロ仕様の高度な編集ソフトは機能が多すぎて覚えることが多く、動画を作る前に挫折してしまう原因になるからです。まずは操作がシンプルなツールを選び、「動画を完成させる成功体験」を積むことが大切です。
具体的な用途別のおすすめツールは以下の通りです。自分の作りたい動画タイプに合わせて選んでみてください。
| ツール名 | 特徴 | 向いている人・用途 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| Loom | PC画面と顔を同時録画して即共有 | 社内向けの説明、フィードバック | ★☆☆(易) |
| CapCut | スマホ1台で高度な編集が可能 | SNS向け動画、実写マニュアル | ★★☆(中) |
| Camtasia | マニュアル作成に特化したPCソフト | 本格的なソフト操作解説動画 | ★★☆(中) |
| Premiere Pro | プロ仕様の業界標準ソフト | 品質にこだわりたい広報動画 | ★★★(難) |
まずはこれらのツールの無料版やトライアルから始めて、慣れてきたら徐々に高機能なソフトへステップアップしていくのが、失敗しないツール選びの鉄則です。
HowTo動画制作に関するよくある質問(FAQ)
Q. 動画制作は外注と内製、どちらが良いでしょうか?
予算とクオリティのバランスで判断します。日常的な業務マニュアルや社内共有は「内製(ツール活用)」でコストを抑え、企業の顔となるプロモーションや、高いクオリティが求められる展示会用動画は「外注」といった使い分けが一般的です。
Q. 社員の顔出しやナレーションは必須ですか?
必須ではありません。特にマニュアル動画では、PC画面キャプチャだけでも十分伝わります。また、ナレーションは社員が録音しなくても、「音読さん」などのAI音声読み上げソフトを使用することで、手軽かつ均一な品質で作成可能です。
Q. 動画の最適な長さ(尺)はどれくらいですか?
用途によりますが、操作マニュアルなら「1分〜3分」が目安です。長すぎると視聴者の集中力が切れてしまうため、工程が多い場合は「基本編」「応用編」のように動画を分割することをおすすめします。
Q. 撮影機材にお金をかけられないのですが、スマホでも大丈夫ですか?
はい、最近のスマートフォンは高画質なので十分対応可能です。ただし「手ブレ」と「暗さ」は品質を下げる大きな要因になるため、安価でも良いので「三脚」を用意し、明るい場所で撮影することを心がけてください。
Q. フリー素材のBGMや画像を使っても大丈夫ですか?
「商用利用可(Commercial use allowed)」と明記されている素材であれば問題ありません。ただし、サイトによっては「クレジット表記必須」などの条件があるため、必ず利用規約を確認しましょう。YouTubeオーディオライブラリなども便利です。
まとめ
本記事では、HowTo動画のメリットから具体的な作り方までを解説してきました。
最後に、改めて重要なポイントを振り返ります。
- 動画は「資産」になる:一度作れば24時間365日、教育やサポートを自動化してくれます。
- 完璧を目指さない:最初はスマホ撮影やPC画面録画などの「スモールスタート」で十分です。
- 構成が命:高価な機材よりも、「誰に・何を・どう解決させるか」という企画・台本が品質を決めます。
「動画制作」という言葉に身構えてしまうかもしれませんが、大切なのは「相手にわかりやすく伝えること」への熱意です。
まずは手持ちのスマホやPCを使って、よくある質問をたった1つだけ動画にしてみることから始めてみてください。その小さな一歩が、将来的に膨大な業務時間を削減する大きな一歩になるはずです。
しかし、実際の現場では「通常業務が忙しくて制作時間が取れない」「企業の顔として出す以上、最初から高いクオリティが必要」という切実な課題もあるでしょう。
もし、自社リソースだけで進めることに限界を感じたら、プロの手を借りるのも賢い選択です。
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