コラム

研修動画が失敗する理由とは?社員の行動を変える「成功の鉄則」を徹底解説

はじめに:研修動画、作って満足していませんか?「見られない・伝わらない」からの脱却

「せっかく高い予算をかけて研修動画を作ったのに、社員の行動が変わらない」
「再生はされているけれど、現場でのミスが減らない」
「そもそも、みんな嫌々見ている気がする…」

今、この記事を読んでいるあなたは、人材育成や社内周知の難しさに頭を悩ませているのではないでしょうか?
実は、多くの企業が陥っている「研修動画の落とし穴」には、明確な共通点があります。

研修動画は、ただのマニュアルの読み上げではありません。
見る人の心を動かし、「明日からこうしてみよう!」という行動変容を起こすための強力なツールです。
しかし、ほんの少しの設計ミスで、それはただの「退屈な時間」に変わってしまいます。

今回は、数多くのアニメーション動画制作を手掛けてきた視点から、「絶対にやってはいけない研修動画のNG例」と「成果が出る動画の鉄則」を、中学生でもわかるように噛み砕いて解説します。
これを読むだけで、あなたの会社の教育が変わるきっかけになるはずです。

まずは1分で解説!「これだけはやるな」研修動画の失敗例3選

動画の内容を深掘り!なぜその研修動画は失敗するのか?

上記の動画でも解説した通り、失敗する研修動画には「3つのNG」が潜んでいます。
逆に言えば、この3つを避けるだけで、動画のクオリティは劇的に向上します。
ここからは、動画で触れたポイントをさらに深掘りし、具体的な解決策とセットで見ていきましょう。

1:「正解の押し付け」はNG!なぜ“叱る動画”になってしまうのか

一つ目の落とし穴は、動画が「叱るツール」になってしまっていることです。
「これがルールです」「こうしてください」と、正解だけを一方的に押し付けていませんか?

人は「命令」されると思考停止する

人間は、一方的に「あれをしろ」「これをしろ」と命令されると、無意識に反発心を抱くか、あるいは「言われたことだけやればいいや」と思考を止めてしまいます。
これでは、マニュアル人間を作ることはできても、臨機応変に対応できる優秀な社員は育ちません。

動画の中で「再生だけして終わる」と言っていたのは、まさにこの状態です。
「見た」という事実は残りますが、「理解した」「納得した」という本質的なゴールには到達していないのです。

「背景」を描くと、社員は自ら考え出す

では、どうすればいいのでしょうか?
成功している企業は、正解を教える前に「なぜそれが必要なのか(Why)」を丁寧に伝えています。

例えば、「挨拶をしっかりしましょう」と教えるのではなく、次のように伝えてみてください。

  • なぜ挨拶が必要?:お客様の不安を取り除く最初のステップだから
  • 誰が喜ぶ?:来店したばかりで緊張しているお客様が安心できる
  • 失敗するとどうなる?:「歓迎されていない」と感じて、二度と来てくれないかもしれない

このように「背景」や「ストーリー」を見せることで、社員は「だから挨拶が必要なんだ!」と腹落ちします。
納得感があるからこそ、「自分ならどうするか?」と自分で答えを出し、自発的な行動へと繋がっていくのです。

2:登場人物は「他人」じゃない!具体的すぎるキャラ設定の魔力

二つ目のポイントは「キャラクター設定」です。
研修動画やマニュアルに出てくる登場人物、こんな風になっていませんか?

「新人Aさん」「先輩社員Bさん」

これでは、見ている人は「自分とは関係ない架空の話」として処理してしまいます。
記憶に残らない原因は、この「抽象度」にあるのです。

「これ、私のことだ!」と思わせる具体性

動画で紹介されていた「成功企業」の例を見てみましょう。

  • 営業3年目の佐藤さん:少し仕事に慣れてきて、抜け漏れが出始めた時期
  • 地方支店の桜井さん:本社との距離感に悩みながらマネジメントしている
  • 入社半年の上原さん:やる気はあるけど空回りしがち

いかがでしょうか?
名前だけでなく、入社年次、所属、そして「口癖」や「悩み」まで設定することで、キャラクターに命が宿ります。

自分事化させるための「ペルソナ設計」

視聴者は、具体的なキャラクターを見たとき、無意識に自分や身近な同僚を重ね合わせます。
「あ、この佐藤さんの失敗、俺も先週やったかも…」
そう思った瞬間、他人事だった研修動画が、自分へのアドバイスに変わります。

「未来の自分」をシミュレーションさせること。
これが、記憶に定着させるための最大の秘訣です。
アニメーション動画であれば、実写では表現しにくい「特定の社員像」も、キャラクターデザインで自在に作り出すことができます。

3:見終わった後が本番!「行動」を変える最後の一工夫

最後のポイントは、動画の「締めくくり方」です。
「ご視聴ありがとうございました」で終わっていませんか?
それは非常にもったいないことです。

視聴完了 = 理解完了ではない

動画を見終わった直後、人の脳は「情報を浴びた」という満足感に浸っています。
しかし、それは「わかったつもり」になっているだけ。
そのまま業務に戻れば、1時間後には内容の半分を忘れているでしょう。

大切なのは、受け身(インプット)の状態から、能動(アウトプット)の状態へスイッチを切り替えることです。

魔法の質問:「あなたの業務で活かすなら?」

成功している企業は、動画の最後に必ず「問いかけ」を用意しています。

「今の事例、あなたの業務で活かすならどこに使いますか?」

このたった一言があるだけで、視聴者は考え始めます。
「えっと、さっきのクレーム対応の例だと、自分の部署なら電話対応の時に使えるかな…」

この思考プロセスこそが、知識を知恵に変え、定着率を跳ね上げる鍵です。
動画を作るときは、「見終わった後に、視聴者に何を考えさせたいか」まで設計図に入れておきましょう。

4:なぜ「アニメーション動画」が研修に最適なのか?

ここまで「失敗しない研修動画のポイント」をお伝えしてきましたが、これらを全て網羅するのに最も適している手法が「アニメーション」です。
実写の研修動画と比較して、なぜアニメーションが選ばれているのでしょうか。

抽象的な概念を「見える化」できる

「企業理念」や「コンプライアンス」、「セキュリティの仕組み」など、目に見えない概念を説明する際、実写ではどうしても「講師が喋っているだけ」になりがちです。
アニメーションなら、図解やメタファーを使って直感的に理解させることができます。
「なぜそれが必要なのか」という背景ストーリーも、ドラマチックに、かつ分かりやすく表現可能です。

情報の更新(メンテナンス)が容易

研修内容は、法律の改正や社内ルールの変更によって頻繁に変わります。
実写の場合、再撮影にはスタジオの手配、役者のスケジュール調整など、多大なコストと手間がかかります。
一方、アニメーションなら、該当箇所のセリフやイラストを差し替えるだけで修正が完了します。
「常に最新の正しい情報を伝え続ける」という研修の目的において、この運用コストの安さは大きな武器になります。

5:成果を出す動画制作の第一歩は「企画設計」から

「よし、うちもアニメーション研修動画を作ろう!」
そう思ったあなた、少しだけ待ってください。
いきなり「どんな絵にするか」から考えてはいけません。

「誰に」「どうなってほしいか」を言語化する

まずは、今回の研修動画のゴールを明確にしましょう。

  • ターゲット(誰に):入社3年目の、少し自信がついてきた中堅社員
  • 現状の課題(Before):自己流のやり方が増えて、基本がおろそかになっている
  • 動画を見た後の理想(After):基本の重要性を再認識し、初心に帰ってマニュアルを見直す

この設計図があって初めて、「じゃあ、キャラクターは3年目の佐藤さんにしよう」「正解を教えるより、失敗事例を見せてドキッとさせよう」という具体的な演出が決まってくるのです。

プロの力を借りるという選択肢

とはいえ、社内のリソースだけでここまでの構成を練り上げ、クオリティの高い動画を作るのは至難の業です。
「伝えたい熱量はあるけれど、形にするノウハウがない」
そんな時は、動画制作のプロフェッショナルに頼るのが一番の近道です。

まとめ:行動を変える動画で、組織はもっと強くなる

研修動画は、企業の未来を作る投資です。
「見させて終わり」の動画から卒業し、「社員の心が動き、行動が変わる」動画へ。
そのシフトチェンジができれば、組織の生産性は間違いなく向上します。

  1. 正解を押し付けず、背景(Why)を伝える
  2. 具体的なキャラクター設定で、自分事化させる
  3. 最後に「どう活かす?」と問いかけ、能動的な思考を促す

この3つの鉄則を胸に、ぜひあなたの会社でも「本当に価値のある研修動画」づくりに挑戦してみてください。

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この記事の監修者
内藤昌和(カプセルメディア代表)
内藤昌和(カプセルメディア代表)
カプセルメディア代表。年間100本以上のアニメーション動画制作・コンテンツ制作を行なっているアニメーション動画制作の専門家。主に企業向けのアニメーション動画広告やSNS動画も得意としており、上場企業から中小・スタートアップ企業まで、幅広い業界の動画提供している。