- 1 はじめに:動画ファイル形式が重要視される理由
- 2 主な動画ファイル形式とその特徴
- 2.1 MP4(.mp4)|最も汎用性の高い動画ファイル形式
- 2.2 MOV(.mov)|Apple製品と相性が良い高画質フォーマット
- 2.3 AVI(.avi)|古くから使われるWindows向け形式
- 2.4 WMV(.wmv)|Windows特化の高圧縮形式
- 2.5 FLV(.flv)|Flash向け。現在は非推奨
- 2.6 MKV(.mkv)|多機能で柔軟性の高いオープン形式
- 2.7 WebM(.webm)|HTML5に最適な軽量フォーマット
- 2.8 MPEG-2(.mpg / .mpeg)|DVDやテレビ放送向けの標準形式
- 2.9 AVCHD(.mts / .m2ts)|ハンディカムや業務用カメラ向け高画質形式
- 2.10 ProRes(.mov)|Appleが提供する業務用の高画質コーデック
- 2.11 H.264 / H.265(.mp4/.movなどに内包)|現在の主流となる映像圧縮規格
- 2.12 3GP(.3gp)|モバイル端末向けに最適化された軽量形式
- 2.13 DivX(.divx)|高画質を維持しながら容量を抑えた独自形式
- 2.14 OGV(.ogv)|オープンソースでWeb向けに適した形式
- 2.15 MXF(.mxf)|業務用のテレビ・放送向けフォーマット
- 3 使用目的別|おすすめの動画ファイル形式
- 4 動画ファイルの変換方法と注意点
- 5 まとめ:用途に応じて最適な動画ファイル形式を選ぼう
はじめに:動画ファイル形式が重要視される理由
動画制作や編集に関わる人にとって、「動画ファイル形式」は避けて通れないテーマです。一見すると単なる拡張子の違いのように思えるかもしれませんが、形式によって画質・音質・ファイルサイズ・互換性・編集のしやすさなどが大きく変わってきます。
例えば、YouTubeに投稿する動画と、業務用のテレビ番組で使用する動画とでは、最適なファイル形式がまったく異なります。再生環境や目的に応じて適切な形式を選ぶことは、視聴体験や業務効率を左右する大きなポイントになります。
このコラムでは、代表的な動画ファイル形式の特徴から、シーン別の使い分け、さらには変換時の注意点までをわかりやすく解説していきます。
動画ファイル形式とは?
動画ファイル形式とは、映像や音声、字幕などのデータをひとつのファイルにまとめて保存する方法のことです。この形式によって、動画の再生可能なデバイスやソフト、画質、編集のしやすさなどが決まります。
たとえば、同じ1分間の動画でも、「MP4」で保存した場合と「AVI」で保存した場合では、ファイルの大きさや再生互換性に違いが生じることがあります。これは、各形式が異なる「圧縮方式」や「コーデック(符号化・復号化方式)」を使っているためです。
つまり、動画ファイル形式は、単なる保存の形式ではなく、どのように再生され、どれだけスムーズに扱えるかを決定づける、非常に重要な要素といえます。
動画ファイルの構造とは(映像・音声・圧縮方式)
動画ファイルは、単なる「映像データ」だけで構成されているわけではありません。大きく分けて、以下の3つの要素で成り立っています。
1.映像データ(ビデオ)
カメラで撮影された画像の連続です。フレームと呼ばれる静止画の集まりが、1秒間に数十枚という単位で並ぶことで動画になります。
2.音声データ(オーディオ)
映像と同期して再生される音声。会話、効果音、BGMなどが含まれます。
3.圧縮方式(コーデック)
動画ファイルはデータ量が非常に大きいため、実用的に扱うためには圧縮が不可欠です。代表的な映像コーデックには「H.264」や「H.265」があります。
これらのデータは「コンテナ」と呼ばれる形式でひとつにまとめられます。MP4やMOV、AVIなどの拡張子は、このコンテナの種類を表しています。
拡張子とは?(.mp4, .mov, .avi など)の意味と役割
動画ファイルの末尾にある「.mp4」や「.mov」といった文字列を「拡張子(かくちょうし)」と呼びます。これは、そのファイルがどの形式で保存されているかを示す記号であり、コンピュータや再生ソフトが適切に処理するための目印でもあります。
- .mp4:多くのデバイスで再生可能な汎用性の高い形式
- .mov:Apple製品での再生や編集に適した高画質フォーマット
- .avi:Windows環境で古くから使われている伝統的な形式
同じ動画であっても、拡張子が異なれば中身の構造や互換性も異なります。したがって、目的や再生環境に合わせて適切な拡張子を選ぶことは、動画のトラブルを避けるうえで非常に重要です。
主な動画ファイル形式とその特徴

動画ファイル形式にはそれぞれ得意な用途や特徴があります。ここでは、これから詳しく解説していく15種類の代表的な動画ファイル形式を一覧でご紹介します。
拡張子(形式) | 主な特徴・用途概要 |
---|---|
.mp4(MP4) | 汎用性が非常に高く、Web・スマホ・SNSなどあらゆる環境で再生可能。H.264/H.265対応。 |
.mov(MOV) | Apple製品に強く、高画質・高編集性を兼ね備える。ProResのコンテナにも使用。 |
.avi(AVI) | Windowsで古くから使われている形式。非圧縮に近く画質は高いが、容量が大きく互換性にやや難あり。 |
.wmv(WMV) | Windows向けの高圧縮フォーマット。軽量で扱いやすいが、Macでは再生が難しい。 |
.flv(FLV) | Flash動画用として普及したが、現在は非推奨。再生環境が限られる。 |
.mkv(MKV) | 多重音声・字幕などを内包できる高機能形式。フリーかつ柔軟性が高い。 |
.webm(WebM) | HTML5向けに最適化された軽量フォーマット。Webページ埋め込みに最適。 |
.mpg / .mpeg(MPEG-2) | DVDやテレビ放送などで使用。古いが今でも業務用途で使われることも。 |
.mts / .m2ts(AVCHD) | ハンディカムや家庭用ビデオカメラで広く使用される高画質フォーマット。 |
.mov(ProRes) | Appleが開発した業務用高画質コーデック。高編集性でプロ向け。 |
H.264 / H.265(.mp4 / .movなどに内包) | 高圧縮かつ高画質な映像圧縮規格。多くの形式の中に使われる中核技術。 |
.3gp(3GP) | モバイル端末向けに軽量化された形式。現在はあまり使われない。 |
.divx(DivX) | 高画質かつ圧縮率に優れた独自フォーマット。DVDライクな使い方に強い。 |
.ogv(OGV) | オープンソース形式。Webブラウザ向けとしても対応あり。 |
.mxf(MXF) | テレビ・放送業界の標準業務用フォーマット。安定性と再現性に優れる。 |
MP4(.mp4)|最も汎用性の高い動画ファイル形式
特徴
MP4は現在、最も一般的で広く使われている動画ファイル形式です。H.264やH.265といった圧縮方式を使うことで、高画質かつ軽量なファイルを実現しています。スマートフォン、PC、Webブラウザ、SNSなど、あらゆる環境で再生可能です。
メリット
- 高い互換性:Windows/Mac/スマホ/ブラウザ、ほぼすべてで再生可能
- 高画質・高圧縮:H.264/H.265の圧縮により、画質を保ちながら容量を抑えられる
- 編集・変換にも強い:ほとんどの編集ソフト・変換ソフトで対応
- ストリーミングに最適:YouTube、Instagram、TikTokなど主要プラットフォームで推奨されている
デメリット
- 非可逆圧縮:圧縮により一部情報が失われるため、再編集にはやや不向き
- 音声や字幕の多重トラックに弱い:高度な音声管理や字幕機能は他形式に劣る
主な用途
- SNS投稿、YouTube配信、社内共有、Webサイト掲載、スマホ閲覧、プレゼン動画 など
MOV(.mov)|Apple製品と相性が良い高画質フォーマット
特徴
MOVはAppleが開発した動画形式で、MacやiPhone、iPadなどApple製品との互換性が非常に高いのが特徴です。映像・音声・字幕・タイムコードなど、複数のトラックをひとつのファイルで扱える柔軟性があります。
メリット
- 高画質・高音質:圧縮率が低く、映像品質を保ちやすい
- Apple製品での最適な再生・編集環境:Final Cut ProやQuickTime Playerと親和性が高い
- 業務用にも対応:ProResなどの高品質コーデックを内包可能
デメリット
- ファイルサイズが大きくなりやすい
- Windows環境では再生できない場合がある
- 高性能なPCが必要な場合もある(特にProRes)
主な用途
- Macユーザーによる動画編集・保存
- 映像制作現場での中間ファイルや納品用ファイル
- 高画質を求める映像作品
AVI(.avi)|古くから使われるWindows向け形式
特徴
AVIはMicrosoftが開発したフォーマットで、長年にわたってWindows環境で広く使われてきた伝統的な形式です。非圧縮に近い高画質な映像保存が可能で、編集用に使われることもあります。
メリット
- 画質劣化が少ない(非圧縮や可逆圧縮にも対応)
- Windowsでの再生・編集に強い
- 扱いがシンプルなため、古いソフトでも対応可能
デメリット
- ファイルサイズが非常に大きくなる
- Mac・スマホ・Webでは再生に制限が多い
- 字幕や多重音声などには非対応
主な用途
- Windows環境での映像編集・アーカイブ
- 放送・記録用の高画質素材保存
- 編集前のマスターデータ管理
WMV(.wmv)|Windows特化の高圧縮形式
特徴
WMVはMicrosoftが開発したWindows Media Video形式で、Windowsに最適化された軽量なファイル形式です。比較的小さいファイルサイズでもそれなりの画質を維持できる点が魅力です。
メリット
- ファイルサイズが小さい:メール添付や共有に便利
- Windows環境に最適化されている
- 低スペックのPCでも再生可能
デメリット
- Macやスマホでの再生には別途コーデックが必要
- 画質・音質はやや劣る
- 将来的な互換性に不安(徐々に利用が減少)
主な用途
- Windows PC間での社内共有・資料動画
- ストレージ容量が限られている環境での利用
- 再生環境が限定される社内プレゼン
FLV(.flv)|Flash向け。現在は非推奨
特徴
FLVはAdobe Flash Player向けに開発されたフォーマットで、かつてはWeb動画の定番でした。YouTube初期や一部のWebサービスで多用されていましたが、Flashのサポート終了に伴い現在は非推奨となっています。
メリット
- 軽量・高速な再生が可能だった
- 古いブラウザやFlashベースのWebサイトでは再生可能
デメリット
- 現在の主流環境では再生できない
- セキュリティ上のリスクがある
- 変換や再利用がしづらい
主な用途
- ※現代では基本的に使用非推奨。過去の動画資産の再利用時のみ限定的に扱われることがあります。
MKV(.mkv)|多機能で柔軟性の高いオープン形式
特徴
MKVは「Matroska Video」の略で、複数の音声・字幕・メタ情報などをひとつにまとめられるコンテナ形式です。オープンソースで開発されており、無料で利用可能。映画やアニメ、海外ドラマなどの保存に適した多機能な形式です。
メリット
- 多重トラックに対応:複数言語の音声・字幕・チャプター情報も格納可能
- オープンソースで無料・柔軟
- 高画質・高音質ファイルの保存に適している
デメリット
- 一部の再生環境では対応していない(特にスマホや標準プレイヤー)
- Webブラウザ埋め込みには向かない
- 動画編集ソフトでの互換性にばらつきあり
主な用途
- 映画・アニメ・長編作品の保存
- 多言語対応の映像配布
- 個人用の高機能アーカイブ形式として
WebM(.webm)|HTML5に最適な軽量フォーマット
特徴
WebMはGoogleが開発したWeb動画向けの軽量フォーマットです。HTML5に完全対応しており、Chrome・Firefox・Edgeなどの主要ブラウザでそのまま再生できます。小さなファイルサイズと高速読み込みが特徴です。
メリット
- Web表示に最適化されている
- 読み込みが速く、データ容量も軽い
- オープンで自由に使える形式
デメリット
- 画質・音質はMP4にやや劣る
- iOS Safariでは完全対応していない場合がある
- 編集ソフトでの扱いに制限があることも
主な用途
- Webサイトへの動画埋め込み(背景動画、紹介動画など)
- 軽量で素早く読み込ませたい動画広告
- ブログ・LPなどでの埋め込み用動画
MPEG-2(.mpg / .mpeg)|DVDやテレビ放送向けの標準形式
特徴
MPEG-2は、DVDビデオや地上波デジタル放送、ブルーレイ初期などでも使われていた業務用にも対応した古典的なフォーマットです。現在はやや古い規格ですが、再生互換性と安定性の面で評価されています。
メリット
- DVD作成やデジタル放送との互換性が高い
- 標準的なデコーダーで広く再生可能
- ビジネス用途・公共放送向けに採用実績多数
デメリット
- 圧縮率が低く、ファイルサイズが大きめ
- 画質も現在のH.264などに比べるとやや劣る
- 新しい編集ソフトでは対応が減少傾向
主な用途
- DVDオーサリング
- 地上波・ケーブルテレビでの放送
- 官公庁や教育機関での業務動画の長期保存
AVCHD(.mts / .m2ts)|ハンディカムや業務用カメラ向け高画質形式
特徴
AVCHDは「Advanced Video Codec High Definition」の略で、家庭用・業務用ビデオカメラで多く採用されている高画質記録形式です。H.264ベースの圧縮方式を使っており、Blu-rayにも対応します。
メリット
- 高画質で長時間の映像記録が可能
- Blu-rayとの互換性が高く、アーカイブにも最適
- カメラから直接編集・取り込みができるソフトも多い
デメリット
- 拡張子がわかりにくく、扱いにくい場合がある
- ファイル分割が発生しやすく、管理が煩雑
- PC再生には専用ソフトが必要になることもある
主な用途
- ハンディカムでの撮影(行事・記録・結婚式など)
- 業務用カメラでの素材撮影
- Blu-rayへのオーサリング素材として
ProRes(.mov)|Appleが提供する業務用の高画質コーデック
特徴
ProResはAppleが開発した高品質・高編集性を兼ね備えたプロフェッショナル向けの映像コーデックで、MOV形式に格納されます。非可逆圧縮ではあるものの、非常に高画質を保ちながら編集の負荷を抑えることができます。
メリット
- 圧倒的な画質と再現性:中間ファイルやマスターデータとして理想的
- 編集作業に最適化:非圧縮より軽く、編集時のパフォーマンスが高い
- 業務用現場での標準コーデック
デメリット
- ファイルサイズが非常に大きい
- Mac環境での利用が基本(Windowsでも対応ソフトがあれば可)
- 一般視聴向けではない
主な用途
- 映像制作・テレビ・映画業界の編集素材
- CM・プロモーション映像の納品ファイル
- 高品質なマスターデータの保存
H.264 / H.265(.mp4/.movなどに内包)|現在の主流となる映像圧縮規格
特徴
H.264(AVC)とH.265(HEVC)は、動画ファイルの中で映像データを圧縮するための規格(コーデック)です。MP4やMOVなどのコンテナ内に含まれています。H.265はH.264よりもさらに高い圧縮率を実現します。
メリット
- 高圧縮・高画質:画質を保ったままファイルサイズを大幅に削減
- ストリーミング向け:YouTube、Netflixなどで主流
- ほとんどの再生・編集環境が対応
デメリット
- H.265は旧機種では再生できないこともある
- ライセンスの制限があるため、無料ソフトで対応しきれない場合も
主な用途
- ストリーミング動画(YouTube、Netflix、SNSなど)
- MP4動画の制作・配信
- 軽量かつ高画質が求められるWeb動画全般
3GP(.3gp)|モバイル端末向けに最適化された軽量形式
特徴
3GPは、携帯電話(主にガラケー)での再生を想定して開発された超軽量動画形式です。今ではほとんど使われなくなりましたが、低解像度・低ビットレートの動画を保存するのに特化していました。
メリット
- 非常に軽量で通信容量が少ない環境でも再生可能
- 古い携帯端末に対応
デメリット
- 画質・音質が非常に低い
- 現代のスマホやPCではサポートが薄い
- 今後の利用がほぼない
主な用途
- 過去のモバイル端末向け動画の再生
- 簡易な映像記録(現在は非推奨)
DivX(.divx)|高画質を維持しながら容量を抑えた独自形式
特徴
DivXは、高画質と高圧縮の両立を目指して開発された独自規格の動画形式です。DVDのようなクオリティを実現しながら、ファイルサイズを小さく抑える点が魅力です。
メリット
- 高画質・高圧縮のバランスが良い
- DVDライクな映像制作・再生が可能
- 特定の機器(DivX対応プレーヤー)で安定して再生できる
デメリット
- 再生環境に制限がある
- 現代ではあまり使われていない
- ソフトによってはエンコード・編集の対応が難しいことも
主な用途
- DVD品質の動画配布
- オフライン上映・再生用映像
- 過去の映像資産の保存・再利用
OGV(.ogv)|オープンソースでWeb向けに適した形式
特徴
OGVは、Oggプロジェクトによって開発されたオープンソースの動画形式で、特に特許やライセンスに縛られない自由な使用が可能です。主にHTML5ベースのWeb動画埋め込みに使われます。
メリット
- 無料・ライセンスフリー
- HTML5と互換性があり、一部ブラウザでの再生が可能
- オープンソースプロジェクトに適している
デメリット
- 一般的な動画再生環境では再生できないことが多い
- エンコード・変換ソフトが限られている
主な用途
- オープンソース系Webサイトへの埋め込み動画
- フリーソフト開発者・研究用途での使用
- HTML5プロジェクトにおける動画表示
MXF(.mxf)|業務用のテレビ・放送向けフォーマット
特徴
MXFは、テレビ局や映画制作などの放送業界向けに設計された業務用フォーマットです。タイムコード・メタデータなどを正確に管理でき、安定した映像制作・送出に適しています。
メリット
- 高い再現性・安定性:業務向けに最適な信頼性
- 豊富なメタデータ対応:タイムコード・音声トラック・字幕も正確に格納
- 放送機器との互換性が高い
デメリット
- ファイルサイズが非常に大きい
- 一般ユーザーの環境では再生困難
- 扱えるソフトが限られる(プロ向け)
主な用途
- テレビ局の放送素材管理
- 映画・CM制作における中間ファイル
- アーカイブ用の業務データ保存
使用目的別|おすすめの動画ファイル形式

動画ファイルは用途によって適した形式が異なります。ここでは、代表的な4つの使用目的に対して、おすすめのファイル形式とその理由をご紹介します。
1. SNS投稿向け(YouTube、Instagram、TikTok など)
おすすめ形式
- MP4(.mp4)
- MOV(.mov)※iPhoneで撮影した場合
- WebM(.webm)※広告用途・Web埋め込み時に検討
理由
SNSプラットフォームでは、読み込みの早さと互換性の高さが重要です。MP4はYouTube・Instagram・TikTokをはじめ、すべての主要SNSで公式に推奨されている形式です。iPhone撮影時はMOVになりますが、SNS投稿時には自動でMP4に変換されることも多いです。
活用ポイント
- 動画編集後はH.264コーデック+MP4で書き出すのが鉄板
- 画質と圧縮のバランスを重視し、1080p(フルHD)程度が無難
- WebMは広告配信用途で軽量にしたいときに便利
2. プレゼン資料・社内共有向け
おすすめ形式
- MP4(.mp4)
- WMV(.wmv)※Windows社内環境の場合
- AVI(.avi)※高画質が必要な場合
理由
社内や取引先で再生する場合は、誰の環境でも安定して再生できる形式が重要です。MP4はほぼすべての端末で再生可能なため、基本はMP4一択です。Windowsオンリーの社内環境では、WMVが軽くて扱いやすい場合も。
活用ポイント
- フルHD以下の解像度でも十分。読み込み時間や容量も意識
- BGMやナレーションがある場合は音ズレしにくい形式を選ぶ(MP4が安定)
3. ウェブサイトへの掲載用
おすすめ形式
- WebM(.webm)
- MP4(.mp4)
- OGV(.ogv)※オープンソースを意識する場合
理由
Webサイトでは軽さ・読み込み速度・ブラウザ対応が最優先事項です。WebMはHTML5対応ブラウザで非常に相性がよく、ファイルも軽量。Safari対応を考慮するならMP4も併用するのが定番です。
活用ポイント
- <video>タグを使う際は、WebM+MP4の2フォーマット併用が理想的
- 自動再生の背景動画には解像度を下げたWebMを使うと高速表示が可能
4. 長期保存・アーカイブ用途
おすすめ形式
- ProRes(.mov)
- AVI(.avi)※可逆圧縮に対応
- MXF(.mxf)※業務用途・放送素材として
- MKV(.mkv)※個人用アーカイブに最適
理由
長期保存では、高画質・高信頼性・再現性の高さが重要です。ProResは映像制作現場でも使われている納品・保存形式。非可逆圧縮でありながら画質の劣化が少なく、再編集にも適しています。個人利用なら、柔軟性に富んだMKVも有力候補です。
活用ポイント
- 画質を保つためには高ビットレート設定で保存
- 複数の字幕・音声を保持したいならMKVが便利
- MXFやProResは制作現場や放送局など限定された環境向け
動画ファイルの変換方法と注意点
動画ファイルは用途に応じて形式を変換することがよくあります。たとえば、MOVファイルをMP4に変換したり、サイズが大きすぎるファイルを圧縮したり。
ただし、変換には画質の劣化や音ズレといったリスクも伴います。ここでは、便利な変換ツールの紹介と、変換時に気をつけたいポイントを解説します。
無料で使える動画変換ツール・ソフト
目的に応じて使いやすい無料ソフトやオンラインツールを選びましょう。以下は代表的な変換ツールです。
ツール名 | 特徴 | 対応OS |
---|---|---|
HandBrake | 無料・高機能。MP4/MKVへの変換に強い | Windows / Mac / Linux |
VLC Media Player | 再生だけでなく変換も可能。軽量で安定 | Windows / Mac / Linux |
CloudConvert | オンラインで多数の形式に対応。ブラウザ完結型 | Web(全OS) |
Any Video Converter | 日本語対応で初心者にも使いやすい | Windows / Mac |
無料ツールでもH.264やH.265、MP4への変換は十分可能。初心者は「プリセット(例:YouTube 1080p)」が用意されているソフトを選ぶと安心です。
変換時に注意すべきポイント
動画形式の変換は、単に「拡張子を変える」だけでは済まないことがあります。以下のようなリスクや落とし穴に注意しましょう。
1. 画質の劣化
- 何度も圧縮・変換を繰り返すと、目に見えて画質が落ちることがあります。
- 特に、H.264 → H.264のような再エンコードは注意が必要。
- 一度高画質で書き出し、配信用は別に作るのが理想です。
2. 音ズレ・音質劣化
- コーデックの違いやビットレート設定によって音が遅れる、またはこもることがあります。
- 編集後に音ズレが発生する場合は、音声と映像を別々に扱う機能を使うのも手。
3. 字幕・メタ情報の消失
- 字幕ファイルやチャプター情報などが変換時に削除されることも。
- 多機能な形式(例:MKV)からMP4などに変換する際は、含まれるデータがどこまで引き継がれるか事前に確認を。
4. 再生できないケース
- H.265(HEVC)などの新しいコーデックは、古い端末で再生できないことがあります。
- 公開・配布する場合は、なるべく互換性の高いH.264やMP4を選びましょう。
プロが推奨する変換の工夫
- オリジナルは高画質・非圧縮で保存し、用途ごとにコピーを変換する
- 変換後の再生確認は必ず複数環境で行う(PC/スマホ/ブラウザ)
- バッチ変換(複数ファイルを一括変換)には設定ミス注意
- ビットレートやフレームレートを変えすぎない(カクつき・ボヤけの原因に)
まとめ:用途に応じて最適な動画ファイル形式を選ぼう
動画ファイル形式は見た目こそ「.mp4」や「.mov」といった拡張子の違いですが、その中身には圧縮方法・画質・音声の扱い・互換性といった多くの要素が詰まっています。どの形式が正解かは、用途によって変わるのが実情です。
たとえば、SNS投稿なら軽量かつ高互換性のMP4。
高画質編集を重視するならProResやAVI。
Web表示ならWebMやMP4。
アーカイブ用途ではMKVやMXFなどが候補になります。
特に近年は、スマートフォン、SNS、ブラウザ表示、4K・8Kなど多様化する配信環境に対応するため、複数の形式を使い分ける必要が出てきています。
動画の用途や視聴環境に最適な形式を選ぶことで、
「画質が落ちた…」「再生できない…」「音がズレる…」といったトラブルも未然に防ぐことができます。
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動画ファイル形式の選定は、見えないけれどとても重要な工程です。
とくに「動画を制作会社に依頼したい」「社内で扱う動画の形式に迷っている」「SNS用に最適化したい」といったご相談は、プロの視点からの提案が不可欠です。
カプセルメディアでは、YouTube・SNS用の動画から、プレゼン資料用、Webサイト掲載用、業務用の高画質動画まで、用途に応じた最適な形式での納品を行っております。
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納品形式に関するアドバイスや、既存動画の変換対応も可能です。
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